六十四卦

六十四卦 意味・読み方

地風升|意味・卦辞爻辞解説(ちふうしょう)

資料説明周易と高島易断をもとに整理
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本ページは公開資料をもとに、卦辞、彖伝、象伝、占断、爻辞、占例を現代日本語で整理したものです。

引

一言で読む

木が地中から伸びるように、根と時機を得て一段ずつ上がります。

卦象と卦名

升は上が坤地、下が巽風です。巽はまた木でもあります。大象では「地中に木を生ず」と言います。木の根は土の中にあり、初めは小さな芽に過ぎません。やがて枝幹がしだいに高くなり、ついには日を覆い空へ届くほどになる。この升は、一気に跳び上がる話ではありません。根の気に従って一寸ずつ上がる話です。

卦の中心的な意味

風の象からも同じことが読めます。風は地気から発し、地下から上がり、たちまち天上へ行きます。ここにも升の意味があります。升は十二月の卦で、陰気が下に凝り、陽気が上へ昇り、旧気が尽きようとして新気が伸び始める時です。だから升卦は時を重く見ます。時が来ていなければ、焦って進むほど根を傷めます。時が来れば、柔順であっても上へ達します。

卦辞は「升は元いに亨る。用て大人を見る、恤うること勿かれ、南に征きて吉なり」と言います。升は大きく通じますが、大人に会うことが要ります。信頼できる人に導かれ、見いだされること。大人に会えれば、過度に憂える必要はありません。南は明るい方位です。南征吉とは、暗い所から明るい所へ出て、志が実行されることを表します。

向いている問い

升を得ても、すぐ昇進や大金だけを思わないことです。長期の成長に近い卦になります。学び、資歴、信用、作品、事業、家業は、いずれも小を積んで大にします。

事業なら穏やかに上がります。名を求めるなら貴人を見ます。経営なら蓄積を重んじます。健康では、病勢が上がるならかえって防ぎます。順に升れば進歩、急に升れば浮ついた高さ、尽きても止まらなければ上六の冥升です。

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卦辞

一言で読む

根を育てて大人に会い、明るい方へ順に進めば道は開きます。

原文

升:元亨、用見大人、勿恤、南征吉。

書き下し文

升は元いに亨る。用て大人を見る、恤うること勿かれ、南に征きて吉なり。

現代語訳

升は大いに通じます。大人を見るために用います。憂えることはありません。南へ征けば吉です。

卦辞の読み解き

上へ進むには、信頼できる人に会い、明るい方向へ向かう。それが吉です。升卦は巽から坤へ上達します。木が土の中から伸びるようなものです。巽柔が下にあり、坤順が上にあります。柔が時に順って昇るので、元亨の大通があります。しかし柔弱なものは、剛中の者に助けられなければ自立しにくいものです。だから卦辞は単に「大人を見るに利あり」と言わず、「用て大人を見る」と言います。自ら進んで会い、求め、見いだされ、引き入れられ、用いられる必要を強めた言い方です。

「恤うること勿かれ」は、何も心配するなという放任ではありません。本当の大人に会い、正しい導きを得たなら、昇進には慶びがあるので、過度に恐れずともよいという意味です。呂望が文王に会い、孔明が劉備に会ったのがその例。才能ある人も、時に合ってその才能を用いる人に会わなければ、志は通りません。

「南征吉」を、南へ行けば何でも吉と読むのは早計です。南は明に属します。暗い所から明るい所へ、不遇から任用へ、内に蓄えたものから外の実行へ。升の向かう先は、正しく明るい方角でなければなりません。私欲、権謀、虚名へ上がる高さは、升の吉から外れます。

実際の読み方

昇進を問うなら、本当に自分を見てくれる人がいるか、自分が見られるだけの徳と力を持つか。創業なら、まず品物と信用を育ててから、資源を持つ人に会います。

試験や名を求めるなら、階段を一段ずつ進みます。恋愛や家庭では、無理に高い縁へすがらず、時と礼に合って初めて吉となります。升の鍵は、時、徳、人、向きの四つです。

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彖曰

一言で読む

柔らかい芽も、時に合い、中正の助けに応じれば大きく通ります。

原文

柔以時升、巽而順、剛中而応、是以大亨。用見大人、勿恤、有慶也。南征吉、志行也。

書き下し文

柔時を以て升る、巽にして順、剛中にして応ず、是を以て大いに亨る。用て大人を見る、恤うること勿かれとは、慶び有るなり。南に征きて吉とは、志行わるるなり。

現代語訳

柔が時に応じて昇り、巽順で、剛中の者と応じるので、大いに亨ります。大人に会うのがよく、憂える必要がないのは、慶びがあるからです。南へ進めば吉なのは、志が行われるからです。

彖伝の読み解き

弱く見えるものも、時に合い、順い、中正の助けに応じれば大きく通る。升の核心は「時を以て」です。巽柔は下にいて無理押しせず、坤順は上にいて阻みません。九二は剛中で、六五が応じます。導く人があり、応じる位があるので、小さな始まりも大亨へ通じます。

柔順は、ただの弱さとは違います。木の芽が土から出たばかりの時はとても柔らかく、斧と強さを競うことはできません。しかし日々生長し、年々積もれば、ついには多くの硬い物より高くなります。人の徳行、学問、事業、名望も同じです。本当の昇進は、一時の引き上げだけでは決まりません。長く徳に順い、積み重ね、時を得、人を得て、そこで決まります。

これを人事へ移せば、人には屈伸があり、窮達があり、そのどれにも時があります。屈した者は伸びることを求め、窮した者は達することを求めます。志がないのはいけません。しかし時が来ていないのに焦って進むのもいけません。およそ升を求める者は、多く大人を先導として借り、引き入れられ、登用され、世に認められます。士の吉は、また大人が人を得る吉でもあります。賢を挙げ能を任ずれば、朝廷や国家にも慶びがあります。

実際の読み方

升を読む時は三つを問います。自分に根があるか、それともただ他人にすがりたいだけか。時機は来ているか、それとも急いで段を飛ばそうとしているか。会う大人は正しいか、それとも虚名へ連れて行くだけか。

時に合った升は、日々盛んになります。時に合わない升は、高くなるほど危うくなります。

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象曰

一言で読む

一足飛びはありません。徳に順い、小を積んで高くなります。

原文

地中生木、升、君子以順徳、積小以高大。

書き下し文

地中に木を生ずるは升なり。君子以て徳に順い、小を積みて以て高大にす。

現代語訳

地中に木が生じるのが升です。君子はこれを見て徳に順い、小さいものを積んで高大を成します。

象伝の読み解き

木が土の中から育つように、徳に順って小さな積み重ねを続け、大きくなる。木が芽を出したばかりの時は小さく、ほとんど力が見えません。枝葉が茂り、雲に入るほど高くなって初めて、人はその高大に驚きます。しかしその高大は突然来たものではありません。年月をかけて積もったものです。

順徳とは、徳性に従って自然に生長することです。根本に背かず、苗を引き抜いて伸ばすようなことをしません。坤は順、巽は入です。巽が土の中へ入り、そこから坤へ上がる。積み重ねがなければ成りません。君子はこの象を取り、一日で名を成そうとせず、毎日少しずつ徳、見識、能力、信用を増やします。

ここから、升卦が虚を恐れる理由も分かります。木が高くなれるのは、根が地中にあるからです。人が高く上がれるのは、徳が心にあり、功が平生にあり、信が人の間にあるからです。根のない高さは空です。根のある升だけが安定します。

実際の読み方

学びを問うなら、毎日の小さな課題から始めます。事業なら、信頼できる納品、積み上がる信用から始めます。修身なら、小善と小過の所で工夫します。

会社なら、手順、品物、人材という根の部分を作ります。升の方法は、自分は高くなりたいと叫ぶところにはありません。根と枝を一緒に育てるところにあります。

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占断

一言で読む

よいものが育つなら吉。病勢や争いが高まるなら早く抑えます。

総合的な占意

ただし升には不利な面もあります。どんな上昇でも吉、という卦ではありません。正しい事、徳業、時運が伸びるのは吉です。病勢、争い、驕りが強まるのは凶です。

項目別の占断

  • 時運と功名:春の生気のように日に日に進みますが、高くなるほど徳を守ります。
  • 経営と相場:小さな利を積めばしだいに富み、価格は上がる象ですが、過熱を防ぎます。
  • 戦いと事業:梯を架けて高く登るように、段階を踏んで進み、飛び越えて急ぎません。
  • 家宅・行人・収穫:住居は低小から高大へ改められます。旅は順調で、風雨が調えば豊作です。
  • 婚姻・病・訴訟:関係は時と礼に順います。上衝する病勢や大きくなる争いは早く抑えます。

六爻の要点

  • 初六:出発点が低くても、方向を認められ、上に受け入れられれば大吉です。
  • 九二:上昇を支えるのは外形より真実の信であり、誠があれば道が通ります。
  • 九三:前方の空虚な場所は開拓の余地であり、才と志で実らせます。
  • 六四:節目まで昇ったら根本と来歴を敬い、忘恩の進み方を避けます。
  • 六五:高位ほど正しい手順を守り、近道や私心で段を飛ばしません。
  • 上六:暗い所まで昇ってなお貪れば道を失うため、さらに進まず正を守ります。

実際の読み方

よい事を問うなら、ゆっくり昇るのがよいでしょう。悪い事を問うなら、すぐ止める必要があります。

事業が伸びる局面なら力を加えます。病状が悪化するなら速やかに受診します。価格が上がるなら過熱を防ぎます。名位が上がるなら徳を守ります。関係が熱くなるなら、礼と時に合うかを見ます。

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初爻

一言で読む

昇り始めは力より志。上と合えば大吉になります。

原文

初六:允升、大吉。

書き下し文

初六、允に升る、大いに吉なり。

現代語訳

まことに昇ります。大いに吉です。

爻辞の読み解き

上と志が合い、昇ることを認められるなら大吉です。初爻は升の始めにあり、位は低く、力は柔らかい。しかし上と志が合います。下が昇ろうとし、上がそれを許すなら、昇る道は通じます。この吉は、力で押し破って得たものではありません。求めて許され、認められ、受け入れられ、同じ道を得た吉です。

象伝は「上、志を合するなり」と言います。初めて昇る時にいちばん恐ろしいのは、方向が合わないことです。上が許さず、制度が容れず、時機が合わないなら、強く昇ろうとしてもただ焦っているだけになります。上が認め、志が同じなら、柔弱な者でも大きく上へ進めます。

実際の読み方

時運は大いに順で、名を求めても利を求めても意に合いやすい時です。功名は一挙に名を成す象です。経営では価格が上がり、利を得ます。戦いでは高所に登って敵情を見抜き、勝つことができます。

婚姻は両家が許し合えば吉です。家宅は谷を出て高い木へ移るように、よりよい場所へ移る象があります。病は普通の病なら佳とは言いにくいものの、下陥や下痢など気を引き上げる必要のある病なら利があります。

高島の占例

ある紳士が気運を問うて、升が泰に変じる初六を得ました。高島は、地中に木が生じ、木が春気を得て、枝葉が怒るように伸び、しだいに増して大きくなると読みます。人の運が時を得て、しだいに佳境へ入るのと同じです。初爻は運の開端であり、允升は、求める事も謀る事も、名利を問わず、上方の志と合うことを示す。だから大吉の占だと断じました。

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二爻

一言で読む

途中で頼れるのは飾りより誠。薄い礼でも通ります。

原文

九二:孚乃利用禴、無咎。

書き下し文

九二、孚あれば乃ち禴を用うるに利あり、咎なし。

現代語訳

真心があれば、薄い禴祭を用いるのに利があります。咎はありません。

爻辞の読み解き

飾りが薄くても、誠があれば通じ、咎はありません。九二は巽の中におり、剛で中を得ます。卦中で大人と呼べる位置です。初が昇ろうとする時、まず二を通ります。二がそれを信じ、引き入れれば、昇る道は安定します。

禴は夏祭で、供え物は薄いものです。爻辞が薄い祭りでも用いるに利ありと言うのは、本当に役に立つのが、長く通ってきた信頼だからです。昇進を決めるのは、贈り物の厚さでも、場面の大きさでも、言葉の立派さでもありません。長く積んだ信義です。上下が信を交わせば、鬼神にも感格できるので、大きな過失はなく、慶びがあります。

実際の読み方

経営では、信用そのものが資本になります。信があれば売買の出入りに偽りや憂いがなく、長く利を得ます。功名には喜びの知らせがあります。戦いでは軍中の信が要で、三軍が一心なら勝てます。

婚姻は二五が信を交わし、陰陽が徳を合わせるので大いに喜ばしい時です。病は祈りもよいのですが、内外の信心と治療の協力が要ります。

高島の占例

占例1

友人が気運を問うて、升が謙に変じる九二を得ました。高島は、相談者は平日から信義があり、友人や目上・目下の人との間にも信が通じているので、近く上昇の喜びがあると断じました。

占例2

明治二十九年、ある貴顕が農工銀行設立の成否を問うて、同じ爻を得ています。高島は坤を財、巽を利とし、銀行は成ると読みました。さらに、金銀の交易でいちばん大切なのは信であり、九二の孚こそ銀行事業が立つ根本だと説いています。

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三爻

一言で読む

空いた場所へ上がるのは好機。才と志で空を実にします。

原文

九三:升虚邑。

書き下し文

九三、虚邑に升る。

現代語訳

虚邑に昇ります。

爻辞の読み解き

空いた邑、荒れた場所、まだ実の整っていない位置へ上がる。虚邑とは、空いた高地、荒れた城邑、あるいは名はあって実がまだ整っていない場所を指します。九三は巽の終わり、坤の始めにいて、根の部分から地上へ昇って来ました。目の前は空虚に見えます。しかし空だからこそ、開き、治め、建てる余地があります。

象伝は「疑う所なきなり」と言います。困難がないという保証ではありません。この爻はすでにその任を得ているので、勇んで経営してよい、という意味です。太王が岐に遷り、一年で邑を成し、二年で都を成し、三年で初めの五倍になったというように、虚から実へ、小から大へ昇る道筋です。

実際の読み方

事業では、目の前の位置が空で、難しく、荒れていても、そこに建設の余地があります。経営では、貨物が空地に集まって市となり、商いは日々盛んになります。功名は上進の地へ昇っており、疑う必要はありません。

戦いでは空城を取ることがあります。家宅は先に空しく後に実ります。婚姻は空房の象でよくありません。病は虚弱の症が多い時です。

高島の占例

占例1

明治十六年、ある紳士が県令として赴任する前に占い、升が師に変じる九三を得ました。高島は、虚邑とは凋敝して治めにくい土地、人煙の少ない所であり、盤根錯節を解く才がなければ任に耐えないと読みます。もっとも相談者は練達しているので、難しい政務も処理できるとしました。

占例2

北海道十勝国利別原野の開墾を占った折も同じ爻で、虚邑を荒地、升虚邑を荒土を村落に変えることと読んでいます。

占例3

司法省の気運を占った時には、虚邑を、法はあるがまだ用いられていない状態と見ました。新法の実施は、虚を高めて実のあるものにする働きです。

次へ:四爻

四爻

一言で読む

節目まで昇ったら、根本へ帰って由来を敬い、順って進みます。

原文

六四:王用亨于岐山、吉無咎。

書き下し文

六四、王用て岐山に亨す、吉にして咎なし。

現代語訳

王が岐山で祭りを行います。吉です。咎はありません。

爻辞の読み解き

王が根本の地で祭り、順って事を行えば、吉であって咎はない。岐山は周家の発祥の地です。太王が遷り、文王が安んじ、後に王業の根となりました。爻辞が岐山で祭享すると言うのは、昇進がある段階に来た時、自分の根本へ敬意を向け、由来を認め、天命と人事に順って行うことを示します。

象伝は「順事なり」と言います。六四は直接に升を言わず、祭享を言います。升とは、ただ高い所へ登ることではないからです。大切な所まで来たなら、かえって頭を下げ、天を敬い、祖を敬い、本業を敬い、山川土地を敬います。この順事の誠がなければ、高く昇るほど本を忘れやすくなります。

実際の読み方

時運は事が順い、吉で大きな過失はありません。経営では、貨物が山林川谷から出るものなら、財を取るにも感謝と返礼を知り、根本へ祭告すれば利があります。功名は、侯から王へ進むような、基盤が業を成す象です。

家宅は宅神、祖先、土地、基礎に関わることを整えます。病は祈りによって心を整えることも助けになります。戦いでは古人が戦前に祈ったように、まず信念を立ててから敵に接します。

高島の占例

ある商人が気運を問うて、升が恒に変じる六四を得ました。高島は、升卦の諸爻は多く上昇を言うけれども、二と四だけは祭享に意味を取ると説きます。人が上昇し発達しようとするなら、先に神明の護佑を求める、すなわち心を正し、根を敬う必要があるからです。この商人の運は暁の日が東に昇るように、しだいに高くなり、財運も亨通する。計画の精密さも要るけれども、なお斎戒祈祷して上助に感通するのがよいと断じました。

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五爻

一言で読む

高い位へ行くほど跳ばず、正を守って一段ずつ昇ります。

原文

六五:貞吉、升階。

書き下し文

六五、貞にして吉なり、階に升る。

現代語訳

正しくして吉です。階段を昇ります。

爻辞の読み解き

正しさを守り、段を踏んで上がる。それが吉です。六五は尊位におり、坤徳をもって中に居ます。これは象伝の「徳に順い、小を積み以て高大を成す」に合います。階は階段。階に昇るとは、階段を順に上がることです。壁を越え、位を奪い、段を飛ばす乱進は、ここでいう升から外れます。

この爻でいちばん重いのは貞です。尊位へ昇っても、正しくなければ、王莽や曹操のような権位の争いになり、吉とは言えません。古人が引くのは大舜の例です。低い所から起こり、徳行が明らかにされ、ついに帝位に登りました。このような升は、徳、時、位が合うので、象伝は「大いに志を得るなり」と言います。

実際の読み方

時運は、平生の志願が多く遂げられる大吉の兆しです。功名は階を拾って登り、栄誉が極まります。経営では五は中の数であり、財は満たし過ぎず、中を得るのが吉です。

戦いでは梯を用いて城を攻め、城を取ることがあります。婚姻は高い家と縁を結ぶ象がありますが、正当で礼に合う必要があります。病では病勢が昇るのはよくありません。熱毒、気逆、病が上衝するなら吉とは言えず、訴訟も争いが階を昇るように大きくなれば危うい時です。

高島の占例

ある人が娘の気運を問うて、升が井に変じる六五を得ました。高島は、升は柔が時によって昇る卦で、時を得れば吉であると読みます。娘を問うなら、多くは嫁娶に関わる。「升階」には上へ縁を結び、貴い家へ嫁ぐ象があるとしました。後に果たしてその娘はある紳士に嫁ぎ、占に応じています。

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上爻

一言で読む

昇り尽きて暗くなったら、追わずに正を守り続けます。

原文

上六:冥升、利于不息之貞。

書き下し文

上六、冥く升る、息まざるの貞に利あり。

現代語訳

暗いまま昇ります。休まない正しさに利があります。

爻辞の読み解き

上がり尽くして先が暗くなった時は、さらに上を求めるより、正道を守り続ける方に利があります。上爻は坤の極であり、升卦の尽きる所です。太陽が朝に昇り、昼に盛んとなり、夕には暗冥へ入るように、上六まで升れば、もうさらに昇る所はありません。だから冥升と言います。

「息まざるの貞に利あり」が、この爻の活路です。日が沈んでも永遠に滅ぶわけではなく、明日また昇ります。運勢が尽きた後にも、望みはなお残ります。ただ、意地で昇り続けてはいけません。この時は正道を守り、根本を整理し、新しい循環を待ちます。人の富貴、名位はいつか消えます。休まず伝わるのは、道徳、功業、名節です。

実際の読み方

時運は好運がすでに過ぎ、次の運が来るのを待つ時です。戦いでは夜に幽谷へ入る象があり、休んで明るくなるのを待ってから険を出ます。経営では人と財の両方を失うことを防ぎます。

功名は名位がすでに現れていますが、後々の寂しさを防ぎます。婚姻はともに老いるのが難しい恐れがあります。家宅は宅運が過ぎ、勢いが下がります。病では冥升に魂が昇る象があり、不利なので特に慎みます。

高島の占例

明治二十四年、高島が国運を占い、升が蠱に変じる上六を得ました。日本は維新以来、欧米に倣って富強を求め、海陸軍などは確かに日に上る勢いがあると読みます。しかし遊学した子弟の一部は、本国の政教を深く知らず、外国の教育にも本当には通じないまま、皮相だけを学んで老成を軽んじている。二十余年の後、昇進はすでに上爻に至っており、なお盲目的に上がろうとすれば冥升となる。利は不息之貞にあり、不善な新法は旧政の根本へ反り、日が沈んだ後また昇るように、晦の後また明るくなるようにして、初めて再び利を得ると断じました。

地風升:読みの覚え

地風升は、木が地中で上へ伸びる卦です。上昇の象はありますが、飛び級ではありません。根と土と階段があって、初めて升になります。

上るにも根が要る

地中に木を生ず、と大象は言います。升は突然に宙へ浮く動きではなく、土を一つずつ通り抜けていく動きです。 読む時は、根が足りているか、階段がはっきりしているか、会うべき大人がいるかを見ます。高さを急いで証明しようとすると、かえって根を傷めます。

昇る前に、三つを量る

- 今のこの上昇には、根と土と道筋がありますか。 - どの段を、先に確実に踏み終えておくべきですか。 - 一段ずつ上がるのを助けてくれる人や仕組みがありますか。

一段ずつ歩く

昇進、試験、修業、貯蓄、家を建てること、長い計画。升はおおむね吉ですが、支えるのは積み重ねです。毎日の小さな前進を確かなものにし、合う師と場所を見つけ、道筋に沿って上がります。根のない上昇は、ただの空升です。

冥升を升と取り違えない

尽きた所からなお上を求めれば、そこは暗がりです。上六の「息まざるの貞に利あり」は、道が絶えたという宣告ではありません。この一巡が終わったという合図です。 高さを追うのをやめ、根本を手入れし、長く続くものを伸ばし続けます。日は沈んでもまた昇ります。落ちるのを拒んで踏ん張るほうが、かえって光を使い果たします。

加える力、順を追う歩み

風雷益と並べると、益は助けを加える働き、升は上へ伸びる働きです。外から来た助けを根まで届かせられた時、それは本当の升になります。風山漸と並べれば、升は高さを、漸は歩幅を見ます。片方は伸びを、もう片方は順序を教えます。

地風升:読みの覚え札記を開く

地風升は、木が地中で上へ伸びる卦です。上昇の象はありますが、飛び級ではありません。根と土と階段があって、初めて升になります。

上るにも根が要る

地中に木を生ず、と大象は言います。升は突然に宙へ浮く動きではなく、土を一つずつ通り抜けていく動きです。 読む時は、根が足りているか、階段がはっきりしているか、会うべき大人がいるかを見ます。高さを急いで証明しようとすると、かえって根を傷めます。

昇る前に、三つを量る

- 今のこの上昇には、根と土と道筋がありますか。 - どの段を、先に確実に踏み終えておくべきですか。 - 一段ずつ上がるのを助けてくれる人や仕組みがありますか。

一段ずつ歩く

昇進、試験、修業、貯蓄、家を建てること、長い計画。升はおおむね吉ですが、支えるのは積み重ねです。毎日の小さな前進を確かなものにし、合う師と場所を見つけ、道筋に沿って上がります。根のない上昇は、ただの空升です。

冥升を升と取り違えない

尽きた所からなお上を求めれば、そこは暗がりです。上六の「息まざるの貞に利あり」は、道が絶えたという宣告ではありません。この一巡が終わったという合図です。 高さを追うのをやめ、根本を手入れし、長く続くものを伸ばし続けます。日は沈んでもまた昇ります。落ちるのを拒んで踏ん張るほうが、かえって光を使い果たします。

加える力、順を追う歩み

風雷益と並べると、益は助けを加える働き、升は上へ伸びる働きです。外から来た助けを根まで届かせられた時、それは本当の升になります。風山漸と並べれば、升は高さを、漸は歩幅を見ます。片方は伸びを、もう片方は順序を教えます。

この卦を読む前に

本卦、動爻、問いを照らす

卦は一ページだけで読み切るより、問いの置き方、動いた爻、六十四卦全体の流れと合わせて見ると見え方が落ち着きます。

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本卦の問い

升を得たら、必ず上へ行けるということですか。

上昇の機会はあります。ただし支えるのは根と階段です。跳び上がるのではなく、伸びて上がります。

この卦では、どう動くのが合っていますか。

道筋を探し、師を探し、場所を探して、一段ずつ確実に踏みます。升の力は、小さな前進が続くところから出ます。

もう頂まで来たのに、さらに進みたい時はどうしますか。

それが上六の冥升で、昇るほど暗くなります。追い上げをやめ、正道を守って根本を整え、次の生気を待つ時です。

升を得たら、必ず上へ行けるということですか。開く

上昇の機会はあります。ただし支えるのは根と階段です。跳び上がるのではなく、伸びて上がります。

この卦では、どう動くのが合っていますか。開く

道筋を探し、師を探し、場所を探して、一段ずつ確実に踏みます。升の力は、小さな前進が続くところから出ます。

もう頂まで来たのに、さらに進みたい時はどうしますか。開く

それが上六の冥升で、昇るほど暗くなります。追い上げをやめ、正道を守って根本を整え、次の生気を待つ時です。