六十四卦 意味・読み方
水風井|意味・卦辞爻辞解説(すいふうせい)
整理説明を見る
本ページは公開資料をもとに、卦辞、彖伝、象伝、占断、爻辞、占例を現代日本語で整理したものです。
引
町は移り人は往来しても、根本の源は長く人を養い続けます。
卦象と卦名
井は上が坎水、下が巽木です。巽木が坎水の下へ入るので、桔槔、轆轤、縄、瓶が井に入って水を汲む形に似ています。坎は穴でもあり、穴を掘って水が出るので井と名づけます。困卦では沢に水がありませんでした。井に至ると水にふたたび源があり、衆を汲み養うことができます。
卦の中心的な意味
卦辞は「井は、邑を改むるも井を改めず、喪うなく得るなし、往来井井たり。汔んど至るも亦た未だ井に繘せず。其の瓶を羸る、凶なり」と言います。城邑は移り変わっても、井が人を養う道は変わりません。人が来て汲んでも、井はそれで減ったと嘆きません。人が来なくても、自分の功を誇りません。だから喪うなし、得るなしです。井の徳は、安定し、静かで、共有できるところにあります。
しかし井に水があるだけでは足りません。人が汲めなければなりません。繘は井縄、瓶は水を汲む器です。井のそばまで来たのに縄を下ろさない。あるいは瓶が破れている。そうすれば水は汲み上がらず、どれほどよい井水でも絵に描いた井になります。この卦がいちばん恐れるのは、資源はあるのに道具が壊れている、制度はあるのに実行が壊れている、人材はいるのに用いる人がいない、という状態です。
向いている問い
井を得たら、まず根本となる資源が本当にあるかを見ます。次に維持と使用ができているかを見ます。
事業なら長期資源、流通、基盤、制度。家庭なら家風と根。会社なら人材、手順、現金の流れ、知識の蓄積。社会なら公共の支えです。井が求めるのは一時の爆発ではありません。長く使えることです。
卦辞
根本は人事が変わっても守り、汲む道具まで整えねば凶です。
原文
井:改邑不改井、無喪無得、往来井井。汔至亦未繘井。羸其瓶、凶。
書き下し文
井は、邑を改むるも井を改めず、喪うなく得るなし、往来井井たり。汔んど至るも亦た未だ井に繘せず。其の瓶を羸る、凶なり。
現代語訳
井は、邑を改めても井は改めません。失うことも得ることもありません。人は往来して井を井として用います。ほとんど至っても、まだ井縄を下ろしていません。その瓶を壊します。凶です。
卦辞の読み解き
根本の井は変わりません。しかし最後に汲む道具が壊れれば凶です。井には通用、共用の意味があります。古人は都邑を建てる時、必ず井を掘って民を養いました。たとえ城邑が移っても、井の制度は変わりません。井水は往来の人に取られますが、それで自分を損なったとは言わず、人を養っても自分の功を誇りません。よい制度、よい家風、よい資源も同じです。一時の人事に揺れず、功労を口にせず、長く人を益します。
「喪うなし、得るなし」は、価値がないという話ではありません。井の価値が私の得失の外にある、という意味です。井はそこにあり、来る者は来て、往く者は往き、汲める者は汲み、汲めない者は空しく過ぎます。井そのものに得失はなく、得失は汲む人の側にあります。
「汔んど至るも亦た未だ井に繘せず。其の瓶を羸る、凶なり」は、全卦で最も現実的な警告です。事はほとんど成功し、井のそばまで来ています。しかし縄を井に下ろしていない。あるいは器が壊れ、瓶を引けば破れる。前の功は尽き、凶はここから生まれます。孟子が、井を九仞まで掘って泉に及ばなければ、それは井を棄てたようなものだと言ったのも、同じ道理です。
実際の読み方
企てを問うなら、資源があると言うだけでは足りません。誰が取るのか、どう取るのか、器具は整っているのか。人材を問うなら、人材がいるだけでなく、任用されているかを見ます。
知識や経験を問うなら、井水のように隠したままにしません。制度を問うなら、見た目より、本当に人を養い、長く回るかを重んじます。
彖曰
深い資源も、制度と道具と実行がそろって初めて人を養います。
原文
巽乎水而上水、井、井養而不窮也。改邑不改井、乃以剛中也。汔至亦未繘井、未有功也。羸其瓶、是以凶也。
書き下し文
水に巽いて水を上ぐるは井なり、井は養いて窮まらざるなり。邑を改むるも井を改めざるは、乃ち剛中を以てなり。汔んど至るも亦た未だ井に繘せずとは、未だ功有らざるなり。其の瓶を羸る、是を以て凶なるなり。
現代語訳
木を水に入れて水を汲み上げるのが井です。井は人を養って窮まりません。邑を改めても井を改めないのは、剛中だからです。ほとんど水に届いても、まだ井から汲み上げていなければ、功はありません。その瓶を壊すので、凶なのです。
彖伝の読み解き
下の水を上げて用いるから井であり、養う働きは尽きません。巽木が水へ入り、桔槔の象があります。古人は木を削って機を作り、後ろを重く前を軽くして、水を引き上げました。また縄に瓶を結び、井中へ下ろし、水を引いて上げます。井の中に水があれば、取っても尽きないので、井は養って窮まりません。
この一段は井卦をとても具体的に説きます。水は資源、井は制度、縄はつながり、瓶は道具、汲水は実行です。どれか一つ欠けても、井は養う功を完成できません。井水が深くても、汲む人がなければ功はありません。井口がよくても、瓶が壊れ縄が切れていれば用をなしません。
「邑を改むるも井を改めず、乃ち剛中を以てなり」。井が外の移動に従って変わらないのは、剛中の徳があるからです。深く、正しく、平らで、安定している。水は井の中にあって、平らで溢れず、深くて信じられる。政を行うにも、人として生きるにも、このような中正で頼れる根本が最も大切です。
実際の読み方
井を読む時は、四つを問います。井水は清いか。井壁は修められているか。縄と瓶は完全か。水は実際に汲み上げられているか。
現実では、資源は確かか、制度は維持されているか、道具は使えるか、実行は最後まで届くかです。井卦の失敗は、水がないことより、最後の一歩で切れるところに多くあります。
象曰
養う仕組みは一人で抱えず、互いに支え合わせて生かします。
原文
木上有水、井、君子以労民勧相。
書き下し文
木の上に水有るは井なり。君子以て民を労い、相い助くるを勧む。
現代語訳
木の上に水があるのが井です。君子はこれを見て民を労い、互いに助けるよう勧めます。
象伝の読み解き
水を汲み上げて人を養うように、民を励まし、助け合う仕組みを作ります。坎水が上にあり、巽木が下にあるので、木の機械が水を上へ汲み上げるような象です。井水が人を養うので、君子もこれに法り、民力を組織し、衆に互いに助け合うよう勧めます。
労民とは民を煩わせることではありません。民力を正当に用い、皆が共同で参加できるようにすることです。勧は励まし導くこと、相は補助し互助することです。天下の人は尽きず、一人の力ではすべてに行き渡りません。だから郷里や一族が相親しみ、貧窮や患難を互いに恤み、互いに開き、互いに支えるようにして、初めて井養不窮の義に合います。
井卦は公共の仕組みを考えるのに向いています。水源、道路、学校、法律、市場、基盤、知識の蓄え、公益制度。これらは一人が短期の利を得るためにあるのではありません。往来する人が皆、養いを受けられるようにあります。
実際の読み方
管理では、資源の置き場を作るだけでなく、人が使える、使いたくなる、皆で維持できるようにします。家庭では、家風は支配の道具ではありません。人を養うためのものです。
地域や会社では互助の仕組みを置きます。個人の修身でも、自分が一口の井になることができます。静かで、源があり、取ることができ、功を誇らない。そういう井です。
占断
古い源を清め、道具と人材を整えれば、長く人を養えます。
総合的な占意
井卦の総合的な占意は、根本資源があり、それを正しく汲み、修め、共有できるかどうかを見るところにあります。
項目別の占断
- 時運と功名:木と水が相生じ、資源が助け合って流れれば、事業も名望もしだいに進みます。
- 経営と家宅:源流が通れば利を得ます。柱、配管、水湿による腐れは早く修繕します。
- 戦いと協力:水が木を滅する危険があり、人の助けと完全な道具によって険を出ます。
- 婚姻と病:関係には正しい秩序と互いに養う働きが必要です。腎水の暴溢などの症状は速やかに受診します。
六爻の要点
- 初六:井泥で飲めず、根本資源が汚れて廃れているため、まず源を清めます。
- 九二:井を捨てて鮒を射るように小利へ走り、道具まで漏れるのは本末転倒です。
- 九三:井は清いのに汲まれず、よい資源にはそれを見抜く責任者が必要です。
- 六四:井壁を甃で修め、成果を求める前に基礎構造を直します。
- 九五:冷たい清泉が飲める段階となり、成熟した資源で安定して養います。
- 上六:完成した井を覆わず、信を保って広く共有すれば、長く尽きません。
実際の読み方
井を得たら、先に維持をします。急に拡張しません。帳簿を整え、手順を直し、道具を補い、人材を整え、知識を通し、水源を点検します。
井水は長く人を養えます。ただし井を汚さず、瓶を破らず、井口を覆わないことが前提です。
初爻
根本が泥で濁ったままなら、まず源の修復から始めます。
原文
初六:井泥不食、旧井無禽。
書き下し文
初六、井泥みて食らわれず、旧井に禽なし。
現代語訳
井が泥で濁っていて飲めません。古い井には禽もいません。
爻辞の読み解き
井が汚れて古び、生気も人の用もなくなっている。初は井底にあり、水が涸れ、泥が濁り、井水は飲用になりません。旧井とは、壊れても修められない井です。禽は轆轤の軸に刻まれた鳥形とする説もあり、広く井辺の生気とも読めます。古井が長く廃れ、人も来ず、禽もない。これは時勢に棄てられた姿です。
この爻が指すのは、一口の井にとどまりません。一人の人、一つの制度、一つの業界、一つの習慣が、長く修められず改められず、底に泥をため、もう人を養えなくなった姿です。もう一度役立ちたいなら、四爻の井甃のように修め治されるのを待たなければなりません。泥の中に甘んじれば、世に棄てられます。
実際の読み方
時運は過ぎ去って衰え、世に用いられません。経営では貨物が古び腐り、売るのに向きません。功名は古く無用になっており、まず更新が必要です。家宅は荒れて久しく、軽く住むべきではありません。
病は古い症が多く、放置してはいけません。婚姻は旧知の間柄であっても、人品がよくなければ成りにくい時です。
高島の占例
友人が気運を問うて、井が需に変じる初六を得ました。高島は、井が旧く、泥があり、禽もないのは廃井であり、人においては運が退き時が衰え、品行や行いが低すぎて人に棄てられ、登用を望みにくいと断じます。ただし初と四はともに陰で正応にはならず、爻の順に初の廃井と四の修井を対して読むだけです。四爻のように井を修めることができれば、なお大過を免れます。自ら改めなければ、ついに再び用いられません。
二爻
本業を置いて小利を追い、器まで漏れれば得るものは小さい。
原文
九二:井谷射鮒、瓮敝漏。
書き下し文
九二、井谷にて鮒を射る、瓮敝れて漏る。
現代語訳
井のそばの穴で鮒を射ます。甕は破れて漏れます。
爻辞の読み解き
井水を汲まず小魚を追い、器まで壊れて水を保てません。井谷は井のそばの泉穴、鮒は小魚です。井の本意は水を汲んで人を養うところにあります。ところが九二は、傍らの穴で小魚を射ています。取るべきものを取っていません。さらに甕は破れて漏れ、当然あるべき水の器まで壊れています。
この爻は、学問、資源、基盤を持っているのに正道を行かず、わき道、小技、小利、虚名を好む人に似ています。井水は本来衆を養えるのに、結果は小魚を捕るだけ。器も漏れているので、得るものは小さく、失うものは大きい。井養の功が発揮されていないので、君子はこれを取りません。
実際の読み方
時運は、得るものは小さく、失うものは大きい時です。経営では思いがけない小利を貪り、本分の大利を失います。功名は虚名で長く続きません。家宅には廃井や破れがあり、水が使えません。
病は下へ漏れる症に注意し、早く手当てします。失せ物はたとえ見つかっても、壊れていることが多いでしょう。学びや事業では、正業正学へ戻り、枝葉に溺れないようにします。
高島の占例
占例1
友人が気運を問うて、井が蹇に変じる九二を得ました。高島は、この人は本来学問があり、井に源があるようなものだと読みます。ただ病は、わき道の学ばかりを専らにして正学に務めず、虚誉を盗むだけで、世情の実践に通じないところにある。まさに射鮒、甕漏です。
占例2
明治三十年に司法省の気運を占って同じ爻を得たこともあります。高島は、立法が小利を貪り大本を失えば、井中の水を汲まず小魚を射るようなもので、最後には根本が漏れると読みました。
三爻
清い水があっても汲まれない。明るい主に会えば福になります。
原文
九三:井渫不食、為我心惻、可用汲、王明、並受其福。
書き下し文
九三、井渫えども食らわれず、我が心の惻みと為る。用て汲むべし、王明らかなれば、並びに其の福を受けん。
現代語訳
井はさらわれて清いのに用いられません。私の心は痛みます。汲むことができます。王が明らかなら、ともにその福を受けます。
爻辞の読み解き
使える清水があるのに用いられない。明君が用いれば皆が福を受けます。渫は井水を清め治めることです。泥は去り、漏れも塞がり、井水は清く飲めます。しかし井は使えるのに、誰も汲みに来ません。これは井の過ちではありません。用いる側が明らかでないからです。
この爻に最も近いのは、才を抱きながら世に用いられない境遇です。人に才徳があり、十分に人を恵めるのに、当局に知られない。傍らでこの清泉が棄てられるのを見る人は、自然に心が痛みます。もし明王が賢才を知り、その井水を汲ませるなら、賢者だけでなく、君王と天下もともに福を受けます。
実際の読み方
時運は、才がありながら用いられず、しばらく心が痛む時です。功名は才があっても命がまだ至りませんが、五爻の時には登用を望めます。経営では、明らかに貨物や利があるのに、運び売ることを知らず惜しい時です。
家宅は旧井が久しく埋もれているなら、清め治めれば家人が福を受けます。婚姻は今は成りにくく、少し時を待てば成ることがあります。失せ物は井の中に落ちていることが多く、汲み取れば得られます。
高島の占例
占例1
高島がこの爻で衆議院議会の結末を占ったことがあります。当時、政府と議院が衝突し、汲水者が井の上まで来たのに、水が清いか濁っているかを争うだけで、本当に汲んでいないような状態でした。後に天裁を仰いで公平に落ち着き、王明らかなれば並びに其の福を受くに合っています。
占例2
新潟審判所長の富田氏は、かつてこの爻を得たと回想しています。高島は、彼に才徳があるのにまだ用いられておらず、三、四年のうちに明主に遇って任用されると断じました。後に実際その通りになり、彼は礼を述べに来ました。
四爻
見栄えのする成果より先に、井壁を修めて使える形に戻します。
原文
六四:井甃、無咎。
書き下し文
六四、井を甃む、咎なし。
現代語訳
井を甃します。咎はありません。
爻辞の読み解き
井壁を修めて使える形に戻せば、咎はありません。甃は、煉瓦や石で井壁を修めることです。井が壊れるのは、多くの場合、汚れを放って修めないからです。久しければ、水があっても使えません。六四は中間の位置にいて、井を修め、壊れを補えるので、大きな過失はありません。
四爻の功は目立ちませんが、非常に大切です。四の井甃がなければ、五の寒泉可食もありません。現実でも同じです。制度の維持、市場の調停、設備の修繕、手順の作り直し、関係の修復は、短期には成果らしく見えないことがあります。しかし後で本当に人を養えるかどうかは、そこで決まります。
実際の読み方
時運はちょうど転変の時で、自分を修め整えるのがよく、上進を望めます。経営では旧業を整理すれば利を得ます。功名は身を修め名を立て、二、三年後に志を得ます。
家宅は修繕改造によい時です。婚姻はまだ待つ必要があります。組織や市場では、先に規則を修め、構造を補います。急いで利を取るより、井を使える形に戻す方が先です。
高島の占例
占例1
横浜市場の商人が大争いして休業し、ある人が調停したいと考えて、井が大過に変じる六四を得ました。高島は、市場の商人たちは井と縄瓶のようなもので、互いに益し互いに害すると読みます。争いによって商業が壊れているので、中に立って調停する者が出て井甃をすべきであり、来月には和解して復業できると断じました。
占例2
清仏が安南を争った件でも、高島は井甃を中立国の調停と読み、貿易の源流を守り、汚れを井中へ入れないことと解しています。
五爻
清い寒泉まで来たら、成熟した力を要る人へ届かせます。
原文
九五:井冽、寒泉食。
書き下し文
九五、井冽らかにして、寒泉食らわる。
現代語訳
井は清く、冷たい泉が飲まれます。
爻辞の読み解き
井水が清く整い、人に飲まれて養いとなる。冽は水が清いこと、寒泉は清涼で飲める泉です。九五は坎の中に居り、位も正しく、水も美しい。初の泥、二の漏れ、三の清治、四の修甃を経て、五ではついに井水が清潔に用いられ、衆が飲食して養いを受けられます。
この爻は、中正清明の徳と資源を象徴します。清く冷たい水は炎暑の時にちょうど要ります。清正な賢才も、国家や民生にちょうど要ります。しかし井水は汲まれなければなりません。賢才も用いられなければなりません。どれほどよい寒泉でも、誰も取らなければ人を養えません。
実際の読み方
時運は、寒素から起こって時を得る象で、用いられる望みがあります。経営では財源が深く長く、利を得ます。功名は品行が中正で、尊栄を受けます。家宅には清廉で水を譲る風があります。
婚姻は家風が清白で、甘苦を共にできます。健康は原文では外寒内熱などを見ますが、現実の症状に従って治療します。組織で要るのは、成熟した本当の資源を人に開いて使わせることです。
高島の占例
明治二十二年、高島が山県伯の気運を占い、井が升に変じる九五を得ました。井は人を養うものだが、汲まれなければ寒泉も無用である。賢者の徳沢は民を恵むに足るが、挙用されなければその恵みは施されない。そう読みます。山県伯は才徳が深く、志操は清潔であり、任用されれば下民はその徳を受け、寒泉を飲むようだとしました。この年、山県伯は果たして内閣総理となっています。
上爻
養う資源は隠さず開く。誠をもって共有すれば大吉です。
原文
上六:井收勿幕、有孚元吉。
書き下し文
上六、井收めて幕う勿かれ、孚有れば元いに吉なり。
現代語訳
井を汲み上げます。覆ってはいけません。真心があって大いに吉です。
爻辞の読み解き
井を開いて人に使わせ、誠をもって共有すれば大吉です。收には轆轤で水を収め上げる意味があります。勿幕とは、井口を覆わないこと。井の価値は、往来井井として、人が汲める所にあります。自分の利として私しません。井を覆い、隠し、少数の人だけに使わせれば、井の道を失います。
上六は井卦の最上にあり、水はすでに井口まで汲まれ、人を養う功用が完成しています。だから象伝は大成と言います。多くの卦では陰爻が上にあるとよくないのに、井卦の上六だけは大吉です。抱え込まずに開き、私さずに公へ用いるからです。
実際の読み方
時運は功徳が世にあり、信用が人の間にあり、運勢は極めて盛んです。功名は大きく用いられ、大きく受けることがあり、一官一邑にとどまりません。経営は商いが集まり、利益が多く、久しく大きくできます。
婚姻は両家がともに福を受けます。戦いでは幕を撤して進み、一戦で功を成します。企ての最良の結末は、資源を閉じ込めるところにはありません。信じられる人が継続して使えるようにするところにあります。
高島の占例
明治三十年、高島が貿易の景況を占い、井が巽に変じる上六を得ました。下三爻を井水がまだ飲まれない時とし、上半期は貨物が盛んでないと見ます。外三爻は泉が清く飲まれ、汲む者が多い。上爻に至ると井口が開いており、百貨が集まり、販売と運送が盛んになる時です。後に七、八月から貿易がしだいに動き、十一、十二月には生糸価格が大きく上がり、外商に大量に買い取られました。
水風井:読みの覚え
水風井は、根本の供養を説く卦です。城邑は変わっても、井は廃せません。人事がどう入れ替わっても、本当に人を養う水源は、修めて、汲み上げて、公平に分けます。
水があっても、取れなければ
井が恐れるのは町の移転ではありません。井が泥むこと、井が漏ること、縄が底まで届かないことです。資源はまだ下にあるのに、仕組みの方が壊れていれば、誰も水にありつけません。 読む時は、水源が清いか、道具が使えるか、本当に必要な人の手が届く制度になっているかを見ます。
井を修めてから産出を語る
事に当たったら、三層に分けて見ます。根本の資源はまだあって、ただ上手く汲まれていないだけなのか。仕組み、手順、道具が古びて供養を妨げているのか。この井を誰が維持し、誰が恩恵を受けているのか。 会社の手順でも、公共の資源でも、家庭の支えでも、知識の蓄えでも、製品の土台の力でも、答えの多くは維持の側に落ちます。源を清め、道具を直し、規則を決め、要る人が使い続けられるようにします。よいものが下にあっても、汲み上げられなければ空のままです。成功の間際で器を誤れば、それまでの功も無になります。
閉じ込められた水、限度のある水
沢水困は水が閉じ込められた形、井は水源がなお使える形です。困では守り、井では修めます。水沢節はもう一方の端で、井は供給の側、節は限度の側を見ます。資源が人を養うためには、汲み方にも節度が要ります。
水風井:読みの覚え札記を開く
水風井は、根本の供養を説く卦です。城邑は変わっても、井は廃せません。人事がどう入れ替わっても、本当に人を養う水源は、修めて、汲み上げて、公平に分けます。
水があっても、取れなければ
井が恐れるのは町の移転ではありません。井が泥むこと、井が漏ること、縄が底まで届かないことです。資源はまだ下にあるのに、仕組みの方が壊れていれば、誰も水にありつけません。 読む時は、水源が清いか、道具が使えるか、本当に必要な人の手が届く制度になっているかを見ます。
井を修めてから産出を語る
事に当たったら、三層に分けて見ます。根本の資源はまだあって、ただ上手く汲まれていないだけなのか。仕組み、手順、道具が古びて供養を妨げているのか。この井を誰が維持し、誰が恩恵を受けているのか。 会社の手順でも、公共の資源でも、家庭の支えでも、知識の蓄えでも、製品の土台の力でも、答えの多くは維持の側に落ちます。源を清め、道具を直し、規則を決め、要る人が使い続けられるようにします。よいものが下にあっても、汲み上げられなければ空のままです。成功の間際で器を誤れば、それまでの功も無になります。
閉じ込められた水、限度のある水
沢水困は水が閉じ込められた形、井は水源がなお使える形です。困では守り、井では修めます。水沢節はもう一方の端で、井は供給の側、節は限度の側を見ます。資源が人を養うためには、汲み方にも節度が要ります。
この卦を読む前に
本卦、動爻、問いを照らす
卦は一ページだけで読み切るより、問いの置き方、動いた爻、六十四卦全体の流れと合わせて見ると見え方が落ち着きます。
関連記事
本卦の問い
井の卦は、なぜいつも「汲み上げられない」と注意するのですか。
根本の資源はたいてい残っていて、詰まるのは汲む側だからです。水が清いか、道具が届くか、制度が公平かを順に確かめます。
事業を問う時、井はどう読みますか。
土台の資源と仕組みの力を見ます。機会があるかどうかだけではなく、供給が安定しているか、手順が長く人を養えるかを問います。
井の卦は、なぜいつも「汲み上げられない」と注意するのですか。開く
根本の資源はたいてい残っていて、詰まるのは汲む側だからです。水が清いか、道具が届くか、制度が公平かを順に確かめます。
事業を問う時、井はどう読みますか。開く
土台の資源と仕組みの力を見ます。機会があるかどうかだけではなく、供給が安定しているか、手順が長く人を養えるかを問います。
本ページの現代語訳は gaodaoyijing.com が独自に整理・翻訳したものです。© 2026 gaodaoyijing.com。無断転載、複製、機械的な大量取得、商用データベースでの利用を禁じます。