六十四卦

六十四卦 意味・読み方

沢雷随|意味・卦辞爻辞解説(たくらいずい)

資料説明周易と高島易断をもとに整理
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本ページは公開資料をもとに、卦辞、彖伝、象伝、占断、爻辞、占例を現代日本語で整理したものです。

引

一言で読む

沢雷随は、時勢、正しい人、正しい事に従う卦です。うまく随えば通じますが、流されて随えば身を失います。

卦象と卦名

随は上が兌沢、下が震雷。雷が沢の下で動き、沢はその動きに応じます。震は動き、兌は悦びです。こちらが動き、あちらが悦ぶので、随の象が成ります。随が豫の次に置かれるのには理由があります。豫で人心が悦び動けば、おのずと人がこちらに随い、こちらもまた物や時に随って動くようになるからです。

卦の中心的な意味

随とは、時、位、人、事を見きわめ、何に従い、どこを改め、どこを守るかを知る働きです。受け身で自分がない状態とは、似て非なるものだと最初に押さえておきます。正しい道に従えば吉、邪に従えば凶。咎は随うこと自体から生まれません。何に随ったかによって、自分で咎を招きます。随そのものに罪はなく、危ういのは随う相手と方向を取り違えた時です。

向いている問い

仕事では、新しい部署、新しい職務、新しい上司や制度に入った時、まず老成したやり方に随うことが必要です。学びでは、師と義に随います。投資では流れを読むことはできますが、風聞に乗るだけでは危うくなります。関係では、情に流れず正を守ります。随を得たら、四つ問います。私は何に随っているのか。相手は信頼できるのか。随う理由は義か、小利か。随っても自分の正しさは残るのか。利貞がなければ、随は詭随になります。

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卦辞

一言で読む

随う力は大きく通りますが、相手と方向を正しく選ぶ時だけ咎がありません。

原文

随:元亨。利貞。無咎。

書き下し文

随は元いに亨る。貞しきに利あり。咎なし。

現代語訳

随は大きく通り、正しく守ることが利となり、咎はありません。

卦辞の読み解き

従うこと自体は道を開きます。ただし咎がないのは、正しさを守っている間に限られます。震が下にあり動き、兌が上にあり悦びます。動いて悦ばれるので随となります。随の道には、自分の狭さを捨てて人の善を取り、他人のよいところを喜んで学ぶ働きがあります。だから大きく亨ります。

しかし貞正を失えば、随は危険です。自分を曲げて人に迎合するだけなら咎が生まれます。『雑卦』の「随は故なし」が語るのは、上下がそれぞれ所を得て、時に順って行う姿です。わざとらしい作為や私情の引きずりとは、まるで別ものになります。

実際の読み方

仕事では、来たばかりの場所では経験ある人に随います。ただし、不正な慣習には随いません。共同事業なら、誰が主で誰が従かを先に見ます。感情では、気分に随いすぎないようにします。学習では、正しい師と道理に随うのが吉です。投資では趨勢に随うことはできますが、流行に溺れると危うくなります。随を読む時、「従うかどうか」では足りません。誰に従うのか、なぜ従うのか、どこまで従うのか、従いながら正を守れるのか。ここまで見て、初めて無咎になります。

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彖曰

一言で読む

強い者が身を低くして人を悦ばせる時、随う関係は正しく動き出します。

原文

随、剛来而下柔、動而説、随。大亨貞、無咎、而天下随時、随之時義大矣哉!

書き下し文

随は、剛来りて柔に下り、動きて説ぶ、随なり。大いに亨りて貞しく、咎なし、而して天下時に随う、随の時義大なるかな。

現代語訳

剛が来て柔の下におり、動いて喜ぶ、これが随です。大きく通り、正しく守れば咎はありません。天下が時に随うなら、随の時の意義は大きいのです。

彖伝の読み解き

強いものが下へ降り、動きが悦びを生む時、物事は自然に随い合います。高島の読みでは、この卦は否から変じた形でもあります。剛陽が下へ降り、尊いものが卑いものへ身を低くする。陽が動けば陰が悦び、物が自分に随い、自分も物に随うようになります。

よい随には多くの形があります。君主が善に従うのも、臣下が正しい命に従うのも、学ぶ人が義に従い、子弟が師に従うのも、欲望が理に、邪念が正に従うのも、みな随の善です。逆に、理が欲望に従い、正が私情に従い、人が名声や利だけに従えば、随は悪へ転びます。

実際の読み方

リーダーなら、まず身を低くして人の声を聞きます。人材は、圧されて従う時より、悦んで従う時にこそ力を出します。下にいる人は、正しい命令には随い、私的な圧力には随いません。学ぶ人は、よく知る人に従い、流行や評判だけを追いません。随が重んじるのは「随時」の一語です。雷は動くべき時に動き、沢は応じるべき時に応じます。時に合う変化には、ちゃんと原則があります。時と道に合わない固執は、正とは呼べません。変えるべき時に変えることも、随の本義です。

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象曰

一言で読む

本当に時に随う人は、進む時だけでなく休む時も外しません。

原文

沢中有雷、随、君子以向晦入宴息。

書き下し文

沢中に雷有るは随なり。君子以て晦に向かえば入りて宴息す。

現代語訳

沢の中に雷があるのが随です。君子はこれを見て、日暮れに向かえば中へ入り、安らかに休みます。

象伝の読み解き

時に随うとは、動く時に動くだけでなく、休む時にきちんと休むことでもあります。ここでの雷は外で鳴り響かず、沢の中に蔵されています。夕暮れになれば、人は家に入って休みます。肝心なのは、あくまで「時に随う」という一点です。冬に雷が伏蔵し、黄昏に人が宴息するように、動かずにいることもまた随になります。

随を「外の流れにずっとついて行く」と読むと誤ります。君子は天時に随います。暗くなれば休み、力を養い、次の動きに備えます。休める人だけが、次に正しく動けます。

実際の読み方

仕事では、走り続けることだけが努力ではありません。収めるべき時には収めます。身体では、昼夜のリズムに随い、無理な徹夜や過労を避けます。チームでは繁忙期に動き、閑散期に養います。関係では、近づく時と退く時を見ます。随の象は、行動と休息の両方を教えます。今は前へ出る時か、蔵して整える時か。外から催促されても、時が晦であれば休みます。これも随の知恵です。

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占断

一言で読む

随を得た時は、変動、追随、加入、転任、方針転換、趨勢への適応を読みます。吉は正と時に随うこと、凶は私情と邪に随うことです。

総合的な占意

随の総占は、何に従い、いつ方針を変えるかを見ます。目先の熱気に引かれず、正しい道と時に随えるかどうかが中心になります。

項目別の占断

  • 時運・出行:今はしばらく晦蔵して時を待ちます。遠行は時機を見て行い、行人には早く帰る象があります。
  • 事業・職場:転職、異動、方針変更の可能性があり、従う人と道が正しいかを先に見ます。
  • 商業・財運:貨物は一時売れにくく、販路や季節の転換を待ちます。相場へ性急に追随しません。
  • 戦争・訴訟:戦いはまず退守し、久しくして敵を制します。訴訟は拘束、牢獄、遠役の災を警戒します。
  • 家宅・雑占:家では夜の驚きを防ぎ、失物は枕席の間を探します。古い占書は妊産を女児と見ました。

六爻の要点

  • 初九:職分や方針が変わり、正しさを守って門を出て交われば功があります。
  • 六二:目先の小者に係り、遠くの丈夫を失う、近きを貪って大を失う段階です。
  • 六三:小を捨てて丈夫に随い、求めるものを得ますが、正しさに居る必要があります。
  • 九四:随って獲ても人心を私有すれば凶です。誠が道にあり、明らかなら無咎です。
  • 九五:美善の道に真実を置き、正しいものに随うので吉です。
  • 上六:随が極まって拘係となります。至誠なら結びを保ち、失正すれば束縛になります。

実際の読み方

職場では、職位や方針が変わることがあります。商業では急いで売らず、時を待ちます。関係では、主従、正邪、大小を分けます。病では薬や医師を替える必要がある場合があります。訴訟では、拘束される前に慎みます。随は「すぐ動け」と急かす卦ではありません。先に隠れ、待ち、見定めてから、正しいものに随います。目の前の熱気に引かれるより、道と時に随うのです。

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初爻

一言で読む

役目や方針が変わる時でも、正しさを保って外へ出て交われば成果が出ます。

原文

初九:官有渝、貞吉。出門交有功。

書き下し文

初九、官渝わること有り、貞にして吉なり。門を出でて交われば功有り。

現代語訳

官に変化があります。正しければ吉です。門を出て交われば功があります。

爻辞の読み解き

役目や方針が変わっても、正しさを守り、外へ出て人と交われば成果が出ます。官は心の官でもあり、担当する職務や事柄でもあります。渝は変わることを言います。初九は剛で正を得ており、随卦を成す主でもあります。本来なら、軽々しく人に随う位置ではありません。

しかし随の時にあっては、権変を知らなければなりません。変えても正を失わないので貞吉です。門を出れば見聞が広がります。私に溺れず、善に従って行けば交わりに功があります。内に閉じて自分のやり方を守るより、外へ出て学ぶ爻だと言えます。

実際の読み方

新しい職務では、まず既存の経験や老成した人に従います。商業では、貨物を外地へ運ぶと利があります。家宅では修造、移転、外出に利があります。戦いでは、方角や方針を変えると吉です。病では、薬が合わなければ替え、遠方の良医を求めます。

高島の占例

ある人が友人の就官を占った時、高島は初九を得て、入仕の初めは学力があっても、まず老成の指揮に随うべきと読みました。新しい場所で「自分を少し変える」のは、敗北というより随の正しい出発点です。

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二爻

一言で読む

近くの小さな縁に縛られていませんか。そこを見誤ると、頼るべき大きなものを失います。

原文

六二:係小子、失丈夫。

書き下し文

六二、小子に係れば、丈夫を失う。

現代語訳

小さい者に係れば、丈夫を失います。

爻辞の読み解き

目の前の小さなものに縛られると、本当に大きく頼れるものを失います。剛は自立したまま随い、柔は自立できずに係ります。ここが分かれ目です。六二は柔で陰位にあり、近くの小さなものに引かれやすいところです。ここでいう小子と丈夫は、年齢ではなく、対象の大小、正邪、遠近、責任の重さを指します。

眼前の小利、小情、小権勢に係れば、本当に大きく正しいものを失います。随の危うさは、近くて甘いものに引かれる点にあります。近いから安心、楽だから正しい、すぐ得られるからよい、とは限りません。

実際の読み方

時運は反復しやすく慎重にします。商業では、小利を貪って大きな取引や信用を失わないようにします。家宅では、陰陽倒置、小人や婦人の専制、家主の受制を警戒します。婚姻では不釣合いに注意します。失物は小物は得ても大物は失いやすいです。

高島の占例

尾藤判事の娘の婚姻占で、高島は六二を得ました。相手は体面ある縁でしたが、爻辞から、父母の好みだけで娘の終身を縛れば、真の丈夫を失うと読み、慎重にすべきとしました。人生の大事は、眼前の体面に係られてはいけません。

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三爻

一言で読む

大きく正しいものへつながるなら小さな執着は捨ててかまいませんが、得る時ほど正を守ります。

原文

六三:係丈夫、失小子。随有求得、利居貞。

書き下し文

六三、丈夫に係り、小子を失う。随いて求むること有れば得、貞に居るに利あり。

現代語訳

丈夫に係り、小さい者を失います。随って求めるものがあれば得ます。正しさに居るのが利です。

爻辞の読み解き

大きく頼れるものに従えば、小さなものは失います。それでも求めるものは得られ、ただし正しさに留まる必要があります。六三は、初九の丈夫に随い、九四の小子を捨てる形です。六二とはちょうど反対です。三が初に随えば、求めるものは得られます。

ただし、人に随って求め得る時ほど、自分を曲げて人に迎合する危険があります。だから居貞が要ります。より大きな目標、より正しい師、より頼れる道を選ぶのはよいことです。しかし、得たいという気持ちが強すぎて原則を捨てれば、せっかくの随が壊れます。

実際の読み方

時運は好運に向かい、求財や求名がかないやすいです。商業では、小が往き大が来る利があります。戦いでは敵将を生け捕るような大勝の象があります。家宅は豊かですが、小児に注意します。病では大人は無妨、小人には不利を見ることがあります。

高島の占例

成佛寺の弁真和尚が小乗仏学から易を学びたいと問うた時、高島は六三を得て、これは塵世の小務ではなく天神妙理を求めることであり、「丈夫に係り小子を失う」に当たると読みました。高明の道に随えば得られます。ただし得るには守正が要ります。六三の要点はそこにあります。

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四爻

一言で読む

成果が出た時ほど危ういものです。得たものは私物化せず、公の誠へ戻します。

原文

九四:随有獲、貞凶。有孚在道、以明、何咎。

書き下し文

九四、随いて獲ること有り、貞なるも凶なり。孚有りて道に在り、以て明らかならば、何の咎かあらん。

現代語訳

随って得るものがあります。正しくても凶です。真実が道にあり、それを明らかにできるなら、何の咎がありましょう。

爻辞の読み解き

人が随い、成果も出ます。それを私有すれば、正しく見えても凶です。誠を公道に置いて明らかにすれば、咎はありません。九四は君に近く、人心を得る力があります。人々が自分に随い、功も得ます。しかし臣下が人心や功績を自分のものとして据え、君上と公道へ帰さなければ臣道を失います。

救いは「有孚在道以明」にあります。真実の心があり、道にあり、公開で明らかであれば、君臣上下に疑いは生まれません。得たものを私にせず、公へ戻すことが九四の用です。

実際の読み方

時運は吉凶が混じるので弁えが必要です。商業では、利益を得た後の意外な災いを防ぎます。家宅では、新築や新購入に慎重を期します。戦いでは、小勝の後に大敗を警戒します。病は先に危うく、後に吉となります。訴訟では初審が危うくても、上訴で大咎を免れることがあります。

高島の占例

占例1

岩谷松平が、鹿児島士族の金禄公債証書の漏れを補って恩給を請えるかを問うた時、高島は九四を得ました。維新の功績によって求める理はあるが、政府の優待を当然視して必得を強く求めれば「随有獲」の義が凶となり、公正の理で願えば「有孚在道」となって許可されると読みました。

占例2

ある縉紳が貴顕の気運を問うた時も、高島は、衆人の追随が権勢へのすり寄りにすぎないことがあるため、民心を得たと自負せず、誠をもって自省し、公へ帰すべきだと戒めました。

次へ:五爻

五爻

一言で読む

善を見分ける眼と誠があるので、人も時勢もおのずと随い、吉となります。

原文

九五:孚于嘉、吉。

書き下し文

九五、嘉に孚あり、吉なり。

現代語訳

善いものに誠があります。吉です。

爻辞の読み解き

善く正しいものに真実の心で通じるなら吉です。九五は中正を得た尊位で、随卦の中で最も正しい位置です。嘉は善、美、正当なものです。孚は真実に感通することを言います。随う先はあくまで善であって、人そのものへの盲従ではありません。

君が善に随い、臣が君の善に随い、民が徳に随います。各々が正しいところを得るので吉です。九五の随を動かすのは権勢や利益ではありません。善を信じる心です。

実際の読み方

時運は盛んで万事吉です。商業では品物がよく、大きく利を得ます。家宅は積善の家で、人が信じ従い、一郷の望みとなります。戦いでは軍衆が同心して勝ちます。婚姻は百年好合の象です。訴訟は和することができます。病にも吉です。

高島の占例

占例1

明治三年、高島がある事を占って九五を得た時、天下の人心が君上の命に随うことを読み、まもなく廃藩置県の令が出ました。

占例2

元老院議官が県知事へ転じる時には、下って民情に随い、私意を挟まなければ人民が嘉して服すと読み、後にその県は安定しました。九五は、人を随わせるのが圧力ではないと示します。善に随う誠こそが人を動かします。

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上爻

一言で読む

随い続けた縁は最後に深い結びになりますが、それが礼義か束縛かを見分けます。

原文

上六:拘係之、乃従維之。王用亨于西山。

書き下し文

上六、之を拘え係ぎ、乃ち従いて之を維ぐ。王用て西山に亨す。

現代語訳

これを拘り係け、さらに従ってこれを結びます。王はこれを用いて西山に祭ります。

爻辞の読み解き

随が極まると、軽い追随を超えて、深く結び留める関係へ変わります。至誠であれば祭祀にも通じます。拘は執って放さないこと、維は結びつけて保つことを言います。上まで来た随は、ほどけにくい結びに変わります。至誠が極まれば君心を孚し、鬼神にまで通じます。

同時に、占断上は拘束、桎梏、家人の怨苦、訴訟の縛りにもなります。見分けたいのは、その結びが礼義廉恥に支えられた維持なのか、人を苦しめる束縛なのかという点です。随い続ける関係は、最後には命運や制度にまで及びます。

実際の読み方

時運は今すぐ伸びやかにならず、支えが足りない感じがあります。商業は堅固に守るならできますが、自由な発展は望みにくいです。家宅では、約束や規則が厳しすぎて家人が苦しむことがあります。病では祈祷や精神的な支えを見ることもあります。婚姻では赤い糸で結ばれるような縁があります。訴訟では拘束を防ぎます。

高島の占例

占例1

南部の山本寛次郎が寿命を占って上六を得た時、高島は帰魂と終局を見、拘係を妻子の思い、亨于西山を宅の西に葬る象として読みました。後に占の通りになりました。

占例2

政治提携の占でも、深く結ばれる関係として読みました。上六が教えるのは、随の最後が軽い同調ではすまず、深い結びへ変わる点です。

沢雷随:読みの覚え

沢雷随は、時に従い、人に従い、流れに合わせる卦です。ただし随う先を誤れば、柔軟さはただ流される弱さになります。

何に随うかで結果が決まる

随では、変化に合わせる働きと、正しさを手放す動きとを分けて見ます。大きく正しいものへ随うのなら、小さな執着は捨ててかまいません。逆に邪や私情へ随いそうな時は、そこで足を止めます。 自分は今、時に随っているのか、それとも場の空気に流されているだけなのか。捨てるべき小さな執着はどれか。目の前の関係は礼義の結びなのか、逃げにくい束縛なのか。この三つを自分の言葉にできれば、随は流されることと区別できます。適応とは、時と相手と方向を見たうえで、自分の中心を保ったまま動くことです。

晦に向かえば休む

転任、方針転換、チームへの合流、師弟関係では、まず随う相手の正邪を確かめます。そのうえで、休むべき時に休めることも随のうちに入ります。晦に向かえば家に入って宴息するというのが大象の言葉で、動き続けることだけを適応と呼ぶ思い込みを、随はここでほどきます。

同人・恒と読み比べる

天火同人と並べると違いがはっきりします。同人は誰と肩を並べて進むかという原則を問い、随は時勢や人にどう従うかを問います。同行と追随は、似ていても別のものです。雷風恒とあわせれば、随は変化の中で何をどう調整するかを、恒は長い時間の中で何を変えずに保つかを受け持ちます。二つを行き来すると、関係の軸がどこにあるかが見えてきます。

沢雷随:読みの覚え札記を開く

沢雷随は、時に従い、人に従い、流れに合わせる卦です。ただし随う先を誤れば、柔軟さはただ流される弱さになります。

何に随うかで結果が決まる

随では、変化に合わせる働きと、正しさを手放す動きとを分けて見ます。大きく正しいものへ随うのなら、小さな執着は捨ててかまいません。逆に邪や私情へ随いそうな時は、そこで足を止めます。 自分は今、時に随っているのか、それとも場の空気に流されているだけなのか。捨てるべき小さな執着はどれか。目の前の関係は礼義の結びなのか、逃げにくい束縛なのか。この三つを自分の言葉にできれば、随は流されることと区別できます。適応とは、時と相手と方向を見たうえで、自分の中心を保ったまま動くことです。

晦に向かえば休む

転任、方針転換、チームへの合流、師弟関係では、まず随う相手の正邪を確かめます。そのうえで、休むべき時に休めることも随のうちに入ります。晦に向かえば家に入って宴息するというのが大象の言葉で、動き続けることだけを適応と呼ぶ思い込みを、随はここでほどきます。

同人・恒と読み比べる

天火同人と並べると違いがはっきりします。同人は誰と肩を並べて進むかという原則を問い、随は時勢や人にどう従うかを問います。同行と追随は、似ていても別のものです。雷風恒とあわせれば、随は変化の中で何をどう調整するかを、恒は長い時間の中で何を変えずに保つかを受け持ちます。二つを行き来すると、関係の軸がどこにあるかが見えてきます。

この卦を読む前に

本卦、動爻、問いを照らす

卦は一ページだけで読み切るより、問いの置き方、動いた爻、六十四卦全体の流れと合わせて見ると見え方が落ち着きます。

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本卦の問い

随が出たら、まず何を確かめればよいですか。

随う先です。相手は誰で、なぜ従うのか、どこまで従うのか。この三つを自分の言葉で言えるなら時に随っている状態、言えないなら空気に流されている状態だと考えてよいでしょう。

新しい場所で自分のやり方を変えるのは、負けを認めることになりませんか。

初九は「官に渝わること有り、貞にして吉」と言います。正しさを保ったまま流儀を改め、門を出て人と交わるなら功があるという読みです。古い役割や見栄へのこだわりを軽くするのは後退ではなく、随の正しい始まりになります。

長く随ってきた関係が重く感じます。続けてよいのでしょうか。

上六の拘係が扱う場面です。随ううちに心身が整い、責任の所在も明るくなるなら礼義の結びと見ます。離れにくさや恐れ、依存ばかりが強くなるなら、そこはもう束縛に近いところです。

随が出たら、まず何を確かめればよいですか。開く

随う先です。相手は誰で、なぜ従うのか、どこまで従うのか。この三つを自分の言葉で言えるなら時に随っている状態、言えないなら空気に流されている状態だと考えてよいでしょう。

新しい場所で自分のやり方を変えるのは、負けを認めることになりませんか。開く

初九は「官に渝わること有り、貞にして吉」と言います。正しさを保ったまま流儀を改め、門を出て人と交わるなら功があるという読みです。古い役割や見栄へのこだわりを軽くするのは後退ではなく、随の正しい始まりになります。

長く随ってきた関係が重く感じます。続けてよいのでしょうか。開く

上六の拘係が扱う場面です。随ううちに心身が整い、責任の所在も明るくなるなら礼義の結びと見ます。離れにくさや恐れ、依存ばかりが強くなるなら、そこはもう束縛に近いところです。