六十四卦

六十四卦 意味・読み方

地雷復|意味・卦辞爻辞解説(ちらいふく)

資料説明周易と高島易断をもとに整理
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本ページは公開資料をもとに、卦辞、彖伝、象伝、占断、爻辞、占例を現代日本語で整理したものです。

引

一言で読む

地雷復は、一陽が戻る卦です。道を外れても早く返れば、衰えの中にもう回復の芽が生まれています。

卦象と卦名

復は上が坤地、下が震雷です。雷はまだ地中に隠れ、五陰の下から一つの陽が帰ってきます。冬至の後に陽気が初めて動くような姿です。前の剥卦では、陽が陰に削られ、最後に上へ追いつめられました。復ではその極みから反転し、陽が最下から新しく生じます。だから復が示すのは大きな勢いではありません。最初の回頭、最初の気づき、最初の生機です。

卦の中心的な意味

復とは、もとの道を行くこと、去ったものがまた来ること、消えたものがまた息づくことを言います。序卦伝は、物は最後まで尽きることができないので、剥が極まると上の陽が下へ反り、復になると言います。悪くなったことが永遠に悪いとは限りません。小さな正気が死んでいなければ、道はまた開きます。

復で大切なのは、早く、真実に、遠く離れないうちに返ることです。初九は「不遠復」で、過ちからすぐ帰ります。六二は「休復」で、善い人を見て従います。六三は「頻復」で、何度も失って何度も返ります。六四は「独復」で、群れの中から一人だけ正へ返ります。六五は「敦復」で、返った後の徳を厚くします。上六は「迷復」で、返るべき道を見失います。六爻全体が、改過と回復の道筋です。

向いている問い

復を得たら、まず「本当に戻れるもの」があるかを見ます。関係は修復できるか。事業は正しい手順で再開できるか。身体の元気は戻り始めているか。制度は本道へ返れるか。

復の吉は、派手な成果にあるのではありません。方向が正へ戻ったところにあります。生まれたばかりの陽は弱いので、すぐ使い尽くしてはいけません。戻り始めた関係、体力、信頼、習慣は、静かに養って大きくします。

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卦辞

一言で読む

戻る道が正しく動き始めれば通り、仲間も来ますが、周期を待って養ってから進みます。

原文

復:亨。出入無疾、朋来無咎。反復其道、七日来復、利有攸往。

書き下し文

復は亨る。出入りに疾なく、朋来りて咎なし。其の道を反復し、七日にして来復す、往く攸有るに利あり。

現代語訳

復は通ります。出入りに病はなく、仲間が来ても咎はありません。その道に反復し、七日でまた戻ります。進むところがあるなら利があります。陽気が帰るので、局面には通じる可能性が生まれます。

卦辞の読み解き

外へ出ても内へ入っても害がなく、同じ正しい気を持つ仲間が次第に来ます。天道の循環に従って、去ったものが戻ります。だから、方向が戻った後であれば前へ進んでかまいません。

復の内卦の一陽は乾元から来るので亨ります。外は坤で順、内は震で動です。道理に順って動くから、出入に疾がありません。朋とは同類です。一陽が先に来れば、後の陽類もそれに従って来ます。陰にこれを妨げる力はもうありません。

七日来復は、字面の七日だけに限定されません。高島の説明は陰陽の消長によります。姤では五月に一陰が生じ、復では十一月に一陽が生じます。陰陽が反復し、七つの数を経て帰るという勘定です。物事には戻る周期と節目があり、焦って一夜で戻せるものではありません。

実際の読み方

仕事では、再開できますが、まず正しい手順へ戻します。関係では、復縁や和解の芽があるものの、始まりは誠意と境界の確認からです。健康では、元気が戻り始めても、すぐ無理をしません。訴訟や協力では、一時まだ結ばれなくても、時が返るのを待つことがあります。

復の「往くに利あり」が許すのは、正しい方向へ戻ったうえで、その道に沿って往くことだけです。何でも急いで進めてよいという合図ではありません。

次へ:彖曰

彖曰

一言で読む

回復の芽は小さな一陽の帰りで、そこに万物を終わらせない天地の心が見えます。

原文

復亨、剛反、動而以順行、是以出入無疾、朋来無咎。反復其道、七日来復、天行也。利有攸往、剛長也。復其見天地之心乎?

書き下し文

復の亨るは、剛反りて、動きて順を以て行けばなり。是を以て出入りに疾なく、朋来りて咎なし。其の道を反復し、七日にして来復するは、天の行なり。往く攸有るに利ありとは、剛の長ずればなり。復は其れ天地の心を見るか。

現代語訳

復が通るのは、剛が戻るからです。動いて順に行くので、出入りに病がなく、仲間が来ても咎はありません。その道に反復し、七日でまた戻るのは天の運行です。進むところがあるなら利があるのは、剛が伸びるからです。復には天地の心が見えます。剥の時にほとんど去った剛陽が、震の下から帰ってきます。

彖伝の読み解き

これが剛反です。動きはありますが、坤の順に従っているので乱れません。

天地は万物を生かす心を失いません。しかし普段は見えにくいものです。陽が初めて帰る瞬間、枯れたように見えた世界に生意が一筋現れ、天地が万物を終わらせない心が見えます。この心は、そのまま人心へ移して読めます。どれほど不善な人でも、朝ふと「改めよう」と思う一念が起こることがあります。その一念が復です。順えば悪から善へ出られ、逆らえばまた古い悪へ戻ります。国家の治乱も同じです。乱は大乱から始まるのではありません。陰の小さな芽から始まります。治もまた大治からではなく、陽の小さな復から起こります。

実際の読み方

復を読む時、始まりの小ささは軽んじません。一度の謝罪、一日の禁酒、一回の復診、一冊の帳簿を付け直すこと、一つの嘘をやめる決心。それが復の一陽かもしれません。

大切なのは、その一陽に従って養うことです。少し戻っただけで安心して旧路へ戻れば、復はそこで途切れます。小さな正しい動きを続ける時、復は本当の回復になります。

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象曰

一言で読む

戻ったばかりの生機は弱いので、すぐ外へ使わず、静かに閉じて養います。

原文

雷在地中、復、先王以至日閉関、商旅不行、后不省方。

書き下し文

雷地中に在るは復なり。先王以て至日に関を閉じ、商旅行かず、后方を省みず。

現代語訳

雷が地の中にあるのが復です。先王はこれを見て、冬至の日に関を閉じ、商人や旅人を行かせず、君王も四方を巡りませんでした。

象伝の読み解き

復は十一月の卦で、雷はまだ地中に伏しています。一陽は生まれましたが、外へ大きく発するほど強くはありません。先王がこの象から取ったのは、無為ではありません。初陽を漏らさぬために動きを収めることでした。

閉関とは、来たばかりの陽気を泄らすことを恐れ、静かにして貞を保つ道です。坤は戸なので、関を閉じます。坤は衆民であり、商旅を象ります。震は大途であり、行くことを象ります。坤は国土であり、方を象ります。卦象の各層が、外への奔走を収めよと告げています。

現代でも同じです。修復し始めた関係で、すぐ昔の恨みを全部ぶつけてはいけません。立ち上がったばかりの事業を、いきなり大きく広げてはいけません。決意したばかりの習慣を、すぐ人前で大げさに語って消耗してはいけません。病み上がりの体を、すぐ夜更かしや過労へ戻してはいけません。

実際の読み方

仕事では、まず消耗する案件を閉じ、基本のリズムを戻します。関係では、静かに修復し、急に公にしたり勝ち負けを決めたりしません。健康では冬令の冷え、痰火、飲食不進に注意し、静養します。引っ越しや遠出は、陽気がもう少し育つのを待ちます。

復の第一歩は、戻った生機を守ることです。初陽は騒がせるほど消えていきます。静けさは、この卦では回復の力です。

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占断

一言で読む

復を得た時は、旧事の回復、関係の修復、事業の再開、体調の回暖、正道への復帰を読みます。ただし初陽はまだ弱く、静かに待って進めます。

総合的な占意

復のよさは、すぐ成功する点にはありません。方向が戻る点にあります。旧い関係は修復できますが、誠意が要ります。事業も再開できますが、まず小さく復位します。体や心は暖まり始めても、まだ弱いままです。焦って使えば、戻った陽を傷めます。

項目別の占断

  • 時運と商業:好運は来始めたばかりで、まだ発動していません。静かに待ち、相場が動いても売り急がなければ、後に利があります。
  • 家宅と戦い:移転は春を待ちます。戦いは伏兵や地雷を防ぎ、いったん休んで兵力を養う時です。
  • 病と訴訟:病は痰火と食欲不振を見て冬に注意します。訴訟はすぐには決しません。
  • 婚姻と妊産:媒人はまだ動かず、春の初めに成る象です。妊産は古占で男児と見て、春分ごろに応じます。
  • 行人と失物:行人は冬には帰らず春に帰ります。失物は後になって見つかります。

六爻の要点

  • 初九:過ちから遠ざかる前に戻る不遠復。深い悔いを防ぎます。
  • 六二:善い人に従って自然に戻る休復です。
  • 六三:失敗してもその都度戻る頻復で、危うくても大咎には至りません。
  • 六四:群れの中で一人だけ正道へ返る独復です。
  • 六五:戻った正しさを徳と習慣へ厚く育てる敦復です。
  • 上六:迷って返らなければ災いを招きます。なお出兵すれば大敗し、長く正道へ戻れません。

実際の読み方

相談では、自分の復がどの段階かを見ます。すぐ直せる過ちなのか、人の助けで戻るのか、何度も失敗しながら戻るのか、周囲に逆らって戻るのか、戻ったものを厚く育てるべきなのか、それとも迷って機会を失いかけているのか。

復はやり直しの卦です。ただし、やり直しは言葉だけで済みません。方向、習慣、手順、節度が本当に戻る時、復は亨ります。

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初爻

一言で読む

間違いに気づいた瞬間に方向を正す早さが大切です。悔いを深くせず大きく立ち直れます。

原文

初九:不遠復、無祗悔、元吉。

書き下し文

初九、遠からずして復る、祗悔なし、元いに吉なり。

現代語訳

遠くないうちに戻ります。深い悔いに至らず、大いに吉です。

爻辞の読み解き

初九は一陽が帰ってくる場所、復の始まりです。過ちからまだ遠く離れていないので、すぐ戻れます。だから深い悔いに至らず、かえって大吉となります。聖賢でも過ちがまったくないとは言えません。貴いのは、速やかに改めるところです。

象伝は、これは身を修めるためだと言います。修身とは、抽象的な心構えのことではありません。自分の欠けを補い、誤りを正す実務です。初九の復は、人心で言えば最初の気づきにあたります。「このままではいけない」と思ったその時に、すぐ向きを変えます。ここから人欲が日に消え、天理が日に明らかになります。

実際の読み方

時運は好運が来始め、だんだん発動して大吉です。商業では前に失ったものを取り戻せます。家宅は旧業復興が近いところです。戦いでは敗を転じて成すこともあります。訴訟は初審が不利でも、再び訴えて勝つことがあります。婚嫁は散ってまた成ります。行人は近く帰ります。病は静養すれば回復します。妊産は即日男児の象があり、失物は早く得られます。

高島の占例

馬を買うことを占って初九を得た例があります。南部からの良馬が遅れて届き、馬厩に余裕がないため譲りたいという話でした。高島は復から、遠い旅より朝出て夕に帰る短い用に適した馬と読み、また変卦の坤から牝馬で柔順と見ました。買ってみるとその通りで、車を引くのに最適でした。初九は、出てもすぐ帰る、遠く外れないという象にもなります。

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二爻

一言で読む

善い人のそばへ身を寄せて戻ります。力まなくても、これが美しい回復になります。

原文

六二:休復、吉。

書き下し文

六二、休く復る、吉なり。

現代語訳

美しく戻ります。吉です。

爻辞の読み解き

休は美、善、吉慶を意味します。六二は陰で陰位に居り、中正を得て、初九のすぐ上にあります。初九が正へ戻るのを見て、これに親しみ、善に従います。自分一人の力で強く立つというより、仁に近づいて回復する爻です。悪念は自然に減り、善心は日に生じます。

易の三百八十四爻の中で、仁を直接語る箇所は多くありません。それだけに、復の六二象伝の「仁に下る」という一句は重く響きます。初九は仁へ復る人、六二はその仁にへりくだって親しむ人です。復卦で言う天地の心も、究極には仁心にほかなりません。自分がまだ弱い時、正直で厚く、よく知る人に近づく。それが休復になります。

実際の読み方

時運はよく、善を選んで従えば吉です。商業では人と利を共にし、事業が興ります。家宅にはよいしるしがあり、旧業の復興に向きます。戦いでは一時攻撃を休め、鋭気を養う時です。病では最初に診た医者にもう一度診てもらうとよいことがあります。行人は年長者に従って帰ります。妊産は、古い占では女児と見ます。失物は低い所を探します。

高島の占例

ある貴顕が辞職した後どうなるかを占って六二を得た時、高島は次のように読みました。雷が地中に隠れてまた出る象なので、一時休職しても復職は遠くない、休復はまさに休んでまた戻ることだと読みました。後にその人は実際に復職しました。休復は終わりではなく、整えて戻るための休みです。

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三爻

一言で読む

失敗を繰り返しても、そのたびに戻る意思を失わなければ大きな咎にはなりません。

原文

六三:頻復、厲無咎。

書き下し文

六三、頻りに復る、厲うけれども咎なし。

現代語訳

しばしば戻ります。危ういけれど咎はありません。

爻辞の読み解き

六三は位が中正でなく、志は強いのに質は柔らかいところです。見る力が定まらず、気持ちは急いて動きます。そのため、戻ったと思ってもまた失い、失ってまた戻ることを繰り返します。危ういのは確かです。しかし、失ったたびにまた復るので、最終的な大過には至りません。

周公は爻辞で、この爻をただ何度も過つと責めず、何度も復るという善い面を取りました。孔子も、道義の上では咎がないと言います。反復する失敗は危険ですが、認めずに沈むよりは、何度でも気づいて戻る方が道に近いのです。

実際の読み方

時運はよい時と悪い時が交互に来ます。守るべきは、いま得ているものです。商業では損も益もあり、益を多く損を少なくできれば利があります。家宅は移転や不定の象です。病は治っては再発しますが、危うくても保てる場合があります。訴訟では何度も言を変えると危うくなります。行人は帰る心がまだ定まりません。妊産は男を主としますが難産に注意します。失物は一度で終わる紛失とは限らず、それでも探せば得られることがあります。

高島の占例

ある商人の気運を占って六三を得た時、その人はこれまで屡々失敗してきました。高島は、屡々興して屡々敗れ、労して功が少ない。しかし破産に至らないのは、随時省み、失うたびに改めてきたからだと読みました。衰運では逆風を上るように苦労が多いので、常業を守って時を待つべきだと告げました。商人はその通りだと認めました。

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四爻

一言で読む

群れの中で一人でも正しい道へ返れるなら、声は小さくても方向は正しい復です。

原文

六四:中行独復。

書き下し文

六四、中を行きて独り復る。

現代語訳

中ほどを行き、一人で戻ります。

爻辞の読み解き

六四は五つの陰の中ほどにあり、周囲はみな陰の仲間です。しかし下の初九と応じています。群れの習慣や空気の中にいながら、初九の善を見て、独り正へ帰ります。

六四は中庸を選び、一つの善を得ればしっかり胸に抱いて離さない爻です。大きな気勢を伴う復ではないため、爻辞に直接の吉はありません。しかし価値は明らかです。悪い風潮の中で、他人が戻らない時に自分だけ戻ります。弱く見えても、方向はきわめて正しい復です。

実際の読み方

時運は柔弱で、奮い立とうとしても力がまだ足りません。商業では計画は正しいものの、資本が十分ではありません。家宅では女性が多く男性が少ない、孤独の象があります。戦いでは中途の伏兵を防ぎます。病は虚弱で、初めに診た医者の方針へ戻るとよい場合があります。行人は途中から戻り、伴を得てまた帰ります。婚嫁は旧い媒人に従うのがよく、失物は途中を探します。

高島の占例

土地売買の相談を占って六四を得た例があります。相談者は、すでに前の買主と価を約し手付けを受けていましたが、別の人がさらに高く買いたいと言ってきたため、賠償して前約を解けるか問いました。高島は、復には百事が旧へ返る象があり、すでに約したことも返って解けると読みました。後にその通りになりました。六四は、契約、約束、古い事柄が元へ返る場面にも現れます。

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五爻

一言で読む

一度の反省では足りません。戻った正しさを習慣と徳にまで育てるので、悔いが残りません。

原文

六五:敦復、無悔。

書き下し文

六五、敦く復る、悔いなし。

現代語訳

厚く戻ります。悔いはありません。

爻辞の読み解き

敦とは厚いことです。六五は柔中の徳を持ち、尊位にあって、復ることができます。坤には厚い象があるので、一度の改心で終わらせず、回復した正道を厚く養います。自分の誤りを知り、善へ移ることを恐れず、得た正しさを軽く失いません。

初九の不遠復は徳へ入る事、六五の敦復は徳を成す事にあたります。早く戻ることは尊いものです。しかし多くの人は、一時の反省はしても長く守れません。敦復とは、反省を人格、家風、制度、日々の習慣へ変えていく仕事です。

実際の読み方

時運は正に当たり、厚く行えば、前功があり後悔がありません。商業では資財が充ち、往復して利を得ます。家宅は祖先の基が厚く、旧業が再び光ります。戦いでは軍力が厚く、城地を取り返せることがあります。病では精神と体力があり、患いは少ないでしょう。妊産は、旧説では男児にあたります。失物は外へ急いで探すより、自分の思い当たる所をよく量ります。

高島の占例

ある局長の気運を占って六五を得た時、高島は、復が雷を地中に蔵し、動の極みから静へ返る卦であり、この人は身を修め道へ復り、しかも復の上に復を重ねるので敦復だと読みました。部下を率いる立場で、自分を責めることは厚く、人を責めることは薄くすれば、人々が心服し、自然に悔いも残りません。六五は、指導者の復はまず自己に厚いことを教えます。

次へ:上爻

上爻

一言で読む

返るべき時を見失ったまま進めば、災いが長く重くなります。

原文

上六:迷復、凶、有災眚。用行師、終有大敗、以其国君、凶、至于十年、不克征。

書き下し文

上六、迷いて復る、凶なり、災眚有り。用て師を行れば、終に大敗有り、其の国君を以てすれば、凶なり、十年に至るまで、征すること克わず。

現代語訳

戻るのに迷います。凶です。災いと自分の過ちがあります。軍を動かせば最後に大敗します。その国君にも凶で、十年たっても征伐できません。

爻辞の読み解き

上六は復卦の最後にあり、坤の極みにあります。坤には迷う象があります。初九の一陽から最も遠く、帰る道を見失っています。戻る機会を逃した復です。

災は外から来る禍、眚は自ら作る過ちです。この二つは厳しく分けて読みます。迷いに沈むと、どこへ行っても害になります。軍を動かせば大敗し、国君にも凶が及び、十年のあいだ征伐できません。誤った路線を長期の方針にしてしまうと、代価がこれほど長く続くということです。個人なら一身が災いを受け、国なら一国が災いを受けます。

実際の読み方

時運は転倒し、する事が道に違いやすいので、慎重にして禍を避けます。商業では貨物が整わず、期限も合わず、相場も明らかでなく、大損に至りやすいところです。しばらく復業しません。家宅では怪異や不安を防ぎ、居住に不利を見ることがあります。戦いでは車轍が乱れ旗が倒れる大敗の象です。病は危うく、長病で命が続くなら幸いです。行人は外で凶が多く、十年内に帰りにくいこともあります。妊産は女を主とし、命運に敗れが多い象があります。

高島の占例

板垣退助の辞爵を占って上六を得た例があります。板垣は朝命で爵位を受けるよう命じられながら固辞し、世論も分かれていました。高島は、自由党には雑多な人々が多く、これを迷復として憂え、さらに占って困が萃に変じる九二を得ました。爻辞に、朱い礼服がちょうど来ており、祭りに用いるにはよいが、進んで争えば凶、という趣旨があるので、栄命はすでに来ており、朝命に逆らえば凶、拝受すれば平穏だと読みました。後に板垣は爵を受けました。この例は、上六が清廉な辞退そのものを否定するのではなく、その時その場で返るべき正道を見失うことを戒めると示します。

地雷復:読みの覚え

地雷復は、戻る力が生まれたばかりの卦です。小さな一陽を急に使わず、静かに養って正しい道へ返ります。

小さな回頭を大事にする

復の値打ちは、戻る早さと養う慎重さの両方にあります。間違いに気づいたらすぐ返る。初九の不遠復がまさにそれです。返った後は、まだ弱い芽を荒い行動にさらしません。どの時点で道を外れたのか、戻ったばかりの力をもう外へ使おうとしていないか。この二つを確かめるだけでも、復は続きやすくなります。小さな回復を大げさに宣言するより、静かな日課と正しい仲間の中で育てるほうが、力は長持ちします。

戻り道を毎日通れる形に

関係修復、再開、健康回復、学び直しでは、初期の小さな変化を大切にします。急に外へ広げるより、戻る道を毎日通れる形にしておきます。六三の頻復は、何度失っても戻ってくる姿を責めません。外れたら早く気づき、戻る道を短くする。繰り返す失敗も、そうやって戻る習慣へ変えていけます。

一陽はどこから来たか

山地剥と並べると、剥は陽気が尽きようとする時に損失を止め、復は一陽が戻った時に新しい生を養う卦だと分かります。水雷屯とあわせれば、屯は新しい局面が生まれる始まり、復は古い局面の後に正道へ戻る始まりです。どちらも生気そのものは小さいのですが、その小ささのままに力を持っています。

地雷復:読みの覚え札記を開く

地雷復は、戻る力が生まれたばかりの卦です。小さな一陽を急に使わず、静かに養って正しい道へ返ります。

小さな回頭を大事にする

復の値打ちは、戻る早さと養う慎重さの両方にあります。間違いに気づいたらすぐ返る。初九の不遠復がまさにそれです。返った後は、まだ弱い芽を荒い行動にさらしません。どの時点で道を外れたのか、戻ったばかりの力をもう外へ使おうとしていないか。この二つを確かめるだけでも、復は続きやすくなります。小さな回復を大げさに宣言するより、静かな日課と正しい仲間の中で育てるほうが、力は長持ちします。

戻り道を毎日通れる形に

関係修復、再開、健康回復、学び直しでは、初期の小さな変化を大切にします。急に外へ広げるより、戻る道を毎日通れる形にしておきます。六三の頻復は、何度失っても戻ってくる姿を責めません。外れたら早く気づき、戻る道を短くする。繰り返す失敗も、そうやって戻る習慣へ変えていけます。

一陽はどこから来たか

山地剥と並べると、剥は陽気が尽きようとする時に損失を止め、復は一陽が戻った時に新しい生を養う卦だと分かります。水雷屯とあわせれば、屯は新しい局面が生まれる始まり、復は古い局面の後に正道へ戻る始まりです。どちらも生気そのものは小さいのですが、その小ささのままに力を持っています。

この卦を読む前に

本卦、動爻、問いを照らす

卦は一ページだけで読み切るより、問いの置き方、動いた爻、六十四卦全体の流れと合わせて見ると見え方が落ち着きます。

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本卦の問い

転機らしいものが見えました。次に何をすればよいですか。

一気に良くなるわけではありません。よい芽が戻ってきたところです。正しい道の第一歩へ帰り、それを繰り返します。誓いを立てるより、小さく戻ることを重ねるほうが役に立ちます。

復縁や和解の相談で復が出たら、どう読みますか。

本当の回心と、具体的な行動の変化があるかを見ます。懐かしさや失う怖さだけで、正道へ戻る動きが伴っていないなら、まだよい復とは言えません。

戻り始めたのに、すぐ元へ戻ってしまいます。

六三の頻復がその場面です。何度も外れて何度も返るのは危ういけれども、大きな咎には至りません。責められるのは繰り返すことよりも、戻らなくなることのほうです。

もう遅すぎる、ということはありますか。

返るべき道を見失ったまま進み続ける時が、上六の迷復です。誤った路線を長期の方針にしてしまうと、代価は長く続きます。遅すぎたと自分を責めるより、気づいた所をそのまま戻り口にします。

転機らしいものが見えました。次に何をすればよいですか。開く

一気に良くなるわけではありません。よい芽が戻ってきたところです。正しい道の第一歩へ帰り、それを繰り返します。誓いを立てるより、小さく戻ることを重ねるほうが役に立ちます。

復縁や和解の相談で復が出たら、どう読みますか。開く

本当の回心と、具体的な行動の変化があるかを見ます。懐かしさや失う怖さだけで、正道へ戻る動きが伴っていないなら、まだよい復とは言えません。

戻り始めたのに、すぐ元へ戻ってしまいます。開く

六三の頻復がその場面です。何度も外れて何度も返るのは危ういけれども、大きな咎には至りません。責められるのは繰り返すことよりも、戻らなくなることのほうです。

もう遅すぎる、ということはありますか。開く

返るべき道を見失ったまま進み続ける時が、上六の迷復です。誤った路線を長期の方針にしてしまうと、代価は長く続きます。遅すぎたと自分を責めるより、気づいた所をそのまま戻り口にします。