六十四卦 意味・読み方
天沢履|意味・卦辞爻辞解説(てんたくり)
整理説明を見る
本ページは公開資料をもとに、卦辞、彖伝、象伝、占断、爻辞、占例を現代日本語で整理したものです。
引
虎の尾に触れるほど危険が近くても、歩みが礼にかなえば通り抜けられます。
卦象と卦名
履は上が乾天、下が兌沢です。天は最も高く、沢は低くへこみます。上下、尊卑、強弱がはっきりしています。また、乾を老父、兌を少女と見れば、弱い者が強い者の後を歩く形になります。「履」は履物であり、歩みであり、さらに人が実際に践み行う礼を指します。柔らかな者が剛い者のそばを歩くのは、もともと危ういことです。しかし兌の悦びが乾の剛に応じ、柔らかく、謹み、礼を失わなければ、「虎の尾を履むも、人を咥わず」となります。
卦の中心的な意味
履の要点は礼です。ここでいう礼は、丁寧語の使い方にとどまりません。強弱、上下、男女、主従、内外、職責、手順のそれぞれに位置を与え、互いを傷つけないようにする秩序を指します。危険そのものは消えません。それでも礼があれば、危険のそばを通る道ができます。
向いている問い
職場では、上司、顧客、官署、審査、法務、規制に近づく時の卦です。関係では、親密さが境界越えにならないよう節度を守ります。財務では、危険の尾を踏まないよう限界を知ります。面会、交渉、申請、裁判、監査で効いてくるのは、正式な通路と礼数です。履を得たら、自分がどこに足を置いているかを見ます。相手の力と境界を見ているか。手順、証拠、言葉、時機は合っているか。勇気を節度の代わりにしていないか。履が説くのは臆病さというより、危険のそばで足を軽く置く知恵です。
卦辞
強者のそばでも、礼と順序を守って歩けば傷つきません。通る余地は残っています。
原文
履虎尾、不咥人、亨。
書き下し文
虎の尾を履むも、人を咥わず、亨る。
現代語訳
虎の尾を踏みますが、人を咥えません。通ります。
卦辞の読み解き
虎は強者、権威、法、制度、世論、気性の激しい相手、巨額の資金、危険な場所を指します。尾は、無意識に触れてしまいやすい部分です。わざわざ虎を踏みに行け、という話ではありません。どうしても強者や危険の近くを通らなければならない時、礼にかなう歩みであれば傷を受けずに通れます。兌の柔悦が乾の剛健に応じるので、危険の中でも亨るわけです。
柔らかいだけでは足りません。媚びるかわりに謹み、逃げるかわりに位置を守って歩く。それが履の歩き方です。
実際の読み方
上司や顧客に会う時は、言葉と資料を準備します。法律や審査では、正式な経路を通ります。恋愛や家族では、親しさを理由に境界を越えません。投資では、危険の境界線を理解してから動きます。争いでは、挑発して相手の境界線を試さないようにします。履が通るのは、虎が温順だからではありません。自分の歩き方が正しいからです。強い相手が関わる時ほど、一歩ごとに軽重を知ります。
彖曰
弱い側が悦びと礼で応じ、強い側も中正であるとき、はじめて道が通ります。
原文
履、柔履剛也。説而応乎乾、是以履虎尾、不咥人、亨。剛中正、履帝位而不疚、光明也。
書き下し文
履は、柔剛を履むなり。説びて乾に応ず、是を以て虎の尾を履むも、人を咥わず、亨る。剛中正にして、帝位を履めども疚しからず、光明なり。
現代語訳
履とは、柔らかなものが剛いものの後を踏むことです。悦んで乾に応じるので、虎の尾を踏んでも人を咥えず、通ります。剛中正の者が帝位を履んでも疚しくなく、光明です。
彖伝の読み解き
下の兌は悦び、上の乾は剛健です。弱い側が強い側の後ろを歩きます。これは容易ではありません。六三の一陰は五陽の中にあり、至柔が至剛の後を踏むような危うさがあります。だから文王は虎尾の象を出しました。
また、九五が剛中正で帝位を履み、疚しからず、光明であることも示されています。履が慎みを求める相手は、下の者だけではありません。上位者が中正であってこそ、下位者は礼をもって近づけます。上が暴であれば、下がいくら慎んでも難があります。下が無礼なら、上が正しくても咬まれます。
実際の読み方
下位にいるなら、悦んで応じてもへつらわず、慎んでも萎縮しません。上位にいるなら、相手がどの手順で近づけばよいかを明らかにし、公正で剛中な態度を保ちます。交渉、訪問、審査、承認、恋愛、家族内の位置関係では、強者が道理をわきまえているか、弱者が礼をわきまえているか、その両方を見ます。履の通は、強弱の双方が自分の位置を守る時に生まれます。
象曰
上下と役割がはっきりすれば、人はどこを歩けばよいか分かり、心が定まります。
原文
上天下沢、履、君子以辨上下、定民志。
書き下し文
上は天、下は沢なるは履なり。君子以て上下を辨え、民の志を定む。
現代語訳
上に天があり、下に沢があるのが履です。君子はこれを見て、上下を弁え、民の志を定めます。
象伝の読み解き
天と沢は場所を争いません。天は上にあり、沢は下にあります。人事でも、父子、君臣、夫婦、主従、上司と部下、買手と売手、役職と実務には、それぞれの分位があります。履はそのまま礼だと言ってよく、礼は分位を明らかにして、人がどこを歩けばよいかを示します。分位があるのは、低い人を辱めるためではありません。低い位置の人が安全に進める道を作り、高い位置の人に責任を持たせるためです。分位がなければ、親しさは冒犯になり、勇気は無謀になり、礼はへつらいになります。
実際の読み方
会社では、誰が決め、誰が実行し、誰が検収し、誰が責任を負うかを明らかにします。家庭では、親、子、配偶者、長幼、金銭、介護の役割を言葉にします。協力では、承認、支払い、納品、退出の条件を先に決めます。貴人や上級者に会うなら、正式な通路を確認しておきます。上下を弁えるのは圧迫ではなく、安全な地図を配るような仕事です。位置が明確なら、人心は定まります。
占断
危険と礼法、上下の分をどう扱うかを見ます。謹んで礼にかなえば吉、位を越えれば凶です。
総合的な占意
履の総占は、危険や強者の近くを、礼と節度を守って安全に進めるかを見ます。吉は正しい足取りと慎みにあり、凶は実力や位置を顧みない強行から来ます。
項目別の占断
- 家業・婚産:門庭の秩序を整え、上下が分を守ります。婚姻と妊産は、動爻と現実の条件を合わせて見ます。
- 任官・指導:品級は徐々に上がりますが、縁故を頼って性急に進みません。九五の決断にも広い聴取が要ります。
- 売買・転業:品物と市況を実際に確かめて時を待ちます。初九なら、一時の不振で旧業を捨てません。
- 投資・投機:視野と能力が足りない時に、鉱山や相場など危険の高い局面へ強行しません。
- 旅行・失物:海辺や水辺への出行に利があり、失物は一時隠れても後に手掛かりが現れます。
- 外交・選挙:九四のように危険を自覚して交渉し、上九のように過去の歩みを検証します。
- 健康:古占では中焦の疎通を見ますが、重い症状は早く専門の診療を受けます。
六爻の要点
- 初九:本色のまま本分の道を歩き、目先の不安で道を変えないので無咎です。
- 九二:中道を守って名利を追わず、平らな道を静かに進んで吉となります。
- 六三:視野と力が足りないのに強行し、虎のような危険に触れて傷つきます。
- 九四:虎尾に近く、危険を実感して慎重に歩くため、最後は吉です。
- 九五:高位の果断にも危険があり、正しさを守って広く意見を聞きます。
- 上九:歩み全体を振り返って吉凶を考え、誤りを改めて正道へ帰れば元吉です。
実際の読み方
事業では、規則に従い、ゆっくり上がります。商売では、検品と市況の確認が先です。関係では、親密でも礼を失いません。危険を前にした恐れそのものは、悪いものではありません。その恐れが準備と慎みに変われば吉になります。転業、投機、鉱山、外交、社長やリーダーの決断、選挙、国交などでは特に、履歴と足元を見ます。履が熟すのは、歩む勇気とともに、どう歩くかを知った時です。
高島の占例
横浜の商人が不振のため東京へ移って新事業を始めるべきかを問うた時、高島は初九を得て旧業を守るよう勧めました。商業の損益は時とともに変わり、前に失って後に得ることもあるため、すぐ計画を変える必要はないとしました。本人が横浜に残ると、ほどなく商機が変わり大きな利益を得ました。足元が一時悪いだけで道を乱さない例です。
初爻
飾らず本分のまま歩むなら、無理に取り入らなくても咎はありません。
原文
初九:素履、往無咎。
書き下し文
初九、素にして履む、往くも咎なし。
現代語訳
素朴な履み方です。進んでも咎はありません。
爻辞の読み解き
素は本色、無飾を言います。初九は陽が陽位にあり、履の始まりで虎からまだ遠いところにいます。上に正応がないので、上位者にすがって取り入ることもありません。「君子その位に素して行う」という言葉が、そのまま当たります。貧しくても志を失わず、達しても道を離れない姿です。素履は、貧相であることとは違います。虚飾やわき道に頼らず、自分の本分に足を置く歩き方を指します。
実際の読み方
仕事では、旧業や基礎を守り、短期の不振で路線を乱しません。企てでは、性急に進むより待つ方が向きます。商売では、景気の一時の通塞だけで移転や転業を決めません。初対面で効くのは、飾ったプレゼンより信頼できる本色です。
高島の占例
横浜の商人が旧業を守り、後に商機が変わって利益を得た経緯のとおり、初九は、一時の不順を道全体の誤りと見るなと教えます。
二爻
外で目立てない時期でしょうか。心が中道を得ていれば、道はおのずと平らです。
原文
九二:履道坦坦、幽人貞吉。
書き下し文
九二、履む道坦坦たり、幽人貞にして吉なり。
現代語訳
履む道は平らです。世を離れた人が正しく守れば吉です。
爻辞の読み解き
九二は剛中で、偏りません。だから道は坦坦とします。幽人とは、栄辱や利達に乱されず、まだ世に用いられなくても道を守る人を指します。才能があっても上に応じる機会がなければ、急いで出るより、窮居して道を楽しみます。履卦の危険は、外の虎だけに限りません。名利が心を偏らせることも、また危険です。九二の平坦は、外界より心が中を得ているところから来ます。
実際の読み方
功名や昇進では、先に志を高くし、実力を養います。売買では、大きな暴利より平穏な小利を取ります。出行は穏やかです。職場では、しばらく目立たなくても慌てません。関係では、端正な距離を守ります。誰も見ていない時にどう歩くか。九二はそこを見ています。道の中央を守る人には、後で安全な通路が開きます。
三爻
少し見え、少し歩けるからこそ危ういのです。力不足のまま踏み込めば凶を招きます。
原文
六三:眇能視、跛能履、履虎尾、咥人、凶。武人為于大君。
書き下し文
六三、眇にして能く視、跛にして能く履む、虎の尾を履みて、人を咥う、凶なり。武人大君と為る。
現代語訳
片目でも見えると思い、足が不自由でも歩けると思います。虎の尾を踏めば、人を咥えます。凶です。武人が大君のように振る舞おうとします。
爻辞の読み解き
眇は全盲ではありません。片目、あるいは偏った視野を言います。跛も、まったく歩けないわけではなく、足元が不安定なだけです。六三は少し見え、少し歩けるので、かえって自信を持ちすぎます。能力不足を認めないまま強い危険へ入るため、虎に咥まれます。高島はこれを、暗昧な家事、欺かれる商売、妄進する戦い、途中の危険、投機や鉱山の素人仕事などに読みます。少し知っている人がいちばん危ない、という爻です。
実際の読み方
投資、鉱山、新分野、法律、医療、重大な交渉では、自分の情報と技能が足りるかを正直に見ます。素人なら専門家を使います。競争では、退いて守る方が攻めに勝ることもあります。商売では、欺かれて急に売り払わないようにします。安全のためには、視野と足場を整えてから動きます。
高島の占例
占例1
副田虎六が鉱山を開くべきかを問うた時、高島は六三を得て、計画と実際が合わないと判断しました。鉱業には老練な指揮者が必要で、鉱夫の統率と規則の確立も難しいところです。本人は聡明でも初心者で、跛者が不慣れな道を歩き虎穴へ入るようなものだと戒めました。本人は従わず工学士に任せましたが、実業に通じず部下も服さず、事業は中止になりました。
占例2
蚕糸先物の仲裁を占った時も、高島は六三から、相場を見る目が管から天を覗くように狭く、虎の尾を踏む投機は凶だと判断しました。六三は外へ出て強行することを戒めます。
四爻
危険の真そばでは、恐れを準備と礼に変えられる人だけが、最後に吉を得ます。
原文
九四:履虎尾、愬愬終吉。
書き下し文
九四、虎の尾を履む、愬愬たれば終に吉なり。
現代語訳
虎の尾を踏みます。恐れ慎めば、最後は吉です。
爻辞の読み解き
九四は九五の尊位に近く、危険の真そばにいます。才は強いのに位は陰で、態度には柔らかさがあります。大臣が危険な職責から逃げず、しかし小心翼翼として主に疑われず、人に忌まれない。そういう姿です。九四の吉は、強さから来るのではなく、恐れから来ます。ここでの恐れは臆病さとは違い、危険を肌で知る慎重さです。危ないと知るから、言葉を慎み、礼を尽くし、準備をします。
実際の読み方
権力の近くで働く時、交渉、外交、顧客対応、危機対応では、予備の策を持ち、言葉に余地を残し、相手の体面を守ります。商売では、急いで売り払わず、耐えて守ることで利があります。戦事や競争では、危機に固守し、援けを待ちます。
高島の占例
朝鮮京城の政乱後の外交占では、九四から慎重な責問と和平の結末が読まれました。九四の「愬愬」は、怖がるからこそ正しく動ける状態です。
五爻
有能で正しくても、決断が強すぎれば危険は残ります。独断こそ戒めどころです。
原文
九五:夬履、貞厲。
書き下し文
九五、夬して履む、貞なるも厲うし。
現代語訳
決然と履みます。正しくても危ういです。
爻辞の読み解き
九五は尊位にあり、剛健中正です。光明で、判断力もあります。しかし履卦では、そこにも危険が残ります。高島は、古の聖人でさえ明が足り剛が足りても、天下の議を広く取ったと言います。九五の危険は無能から来るのではありません。正しいからこそ、自分の判断を信じすぎるところにあります。夬履とは、決然と歩むことです。必要な決断はできます。しかし上下の声、時機、人情、結果への責任を聞かなければ、明断はたやすく偏断になります。
実際の読み方
リーダーや社長がこの爻を得たら、果断さを保ちながら、必ず諮問します。会社の重大な意思決定で見るのは、反対意見、現場、人心、時機です。昇進や権限取得では、得位した後ほど慎みます。商売では、貨物を急いで売らず、和を合わせて助け合い、久しく厚い利を得ます。
高島の占例
会社社長の命運占で高島は、学識と徳があっても、権限を握った後の剛決独行に警戒せよと読みました。九五は、有能な人ほど独断に気をつける爻です。
上爻
最後に自分の歩みを見返し、必要なら正道へ戻れる人は大吉になります。
原文
上九:視履考祥、其旋元吉。
書き下し文
上九、履めるを視て祥を考う、其れ旋らば元いに吉なり。
現代語訳
履んできたことを見て、吉祥を考えます。それが巡って正しく帰れば大吉です。
爻辞の読み解き
上九は履の終わりです。もう目の前の一歩だけでなく、これまでの足跡全体を見ます。人の践行は終わりを見て分かる、と言われるとおりです。始めは善く終わりが悪い人もいれば、始めは悪くても終わりに善くなる人もいます。終始が通り、周旋して欠けなければ、大きな吉です。
「旋」は、回る、振り返る、帰るという意味です。道を誤った時に戻れるか。勝った後に自分の歩みを検査できるか。上九の吉はそこにあります。
実際の読み方
事業では、過去の行動を見直し、記録と結果を照らします。売買では、往復の経営に利があります。家宅では、禍福に門なく、積善に余慶ありという道理を見ます。競争では、勝った後にも歩みを点検します。外交や国交では、相手の性質を見ながら、柔をもって剛に応じ、時に応じて回れることが大事です。
高島の占例
占例1
東京第十五区の選挙で豪商が候補となった時、高島は上九を得て、本人は艱難を経て盛運にあるが、競争者は不中不正で、強争しても勝てないと読みました。機を察して自ら退けば元吉と勧め、後に豪商は実際に退きました。
占例2
日本とドイツの交際を占った時は、ドイツに虎視の性があるため、日本は柔で剛を制し、時に応じて対処すれば無事だと読まれました。上九は、意地で歩き続けるより、回るべき時を知ることを重んじます。
天沢履:読みの覚え
天沢履は、危うい相手や強い場のそばを歩く卦です。虎の尾を踏むほど近い危険も、礼と足取りがあれば通る余地があります。
度胸より足取り
履を通すのは度胸ではありません。どこを踏み、どの順序で進み、自分の位をどこに置くか。制度、権力、目上、顧客、気の強い相手の前では、進めるかどうかより、一歩ごとに礼と位と時機が合っているかが問われます。虎の尾を踏んで咬まれずにすむのは運のよさではなく、どこを踏んではいけないかを知っているからです。
踏み出す前に確かめる
- いま入っていく場のきまりは、誰が定めていますか。 - 礼にしたがって進んでいますか。それとも度胸で無作法を覆っていますか。 - どの一言、どの一手が、相手の尾を踏みやすいでしょうか。
虎に近い場所での作法
面接、交渉、昇進、訪問、苦情、上への報告では、履がよく効きます。まず礼数と分位を確かめ、それから要求を述べます。自分を押し殺すという話ではありません。同じ言葉でも、ふさわしい位置から出せば通ります。危うい場ほど、言葉は短く、順序は外さないようにします。余計な強がりが足を乱します。
風天小畜・地山謙と照らす
風天小畜と照らすと、小畜は条件がまだ足りない状態、履は足元に危険がある状態で、同じ慎重さでも病根が違うと分かります。地山謙と照らせば、履は外に現れる礼法を整え、謙は内なる姿勢と鋭さを収めます。三卦を並べておくと、待つ時、歩く時、退く時の区別がつきます。
天沢履:読みの覚え札記を開く
天沢履は、危うい相手や強い場のそばを歩く卦です。虎の尾を踏むほど近い危険も、礼と足取りがあれば通る余地があります。
度胸より足取り
履を通すのは度胸ではありません。どこを踏み、どの順序で進み、自分の位をどこに置くか。制度、権力、目上、顧客、気の強い相手の前では、進めるかどうかより、一歩ごとに礼と位と時機が合っているかが問われます。虎の尾を踏んで咬まれずにすむのは運のよさではなく、どこを踏んではいけないかを知っているからです。
踏み出す前に確かめる
- いま入っていく場のきまりは、誰が定めていますか。 - 礼にしたがって進んでいますか。それとも度胸で無作法を覆っていますか。 - どの一言、どの一手が、相手の尾を踏みやすいでしょうか。
虎に近い場所での作法
面接、交渉、昇進、訪問、苦情、上への報告では、履がよく効きます。まず礼数と分位を確かめ、それから要求を述べます。自分を押し殺すという話ではありません。同じ言葉でも、ふさわしい位置から出せば通ります。危うい場ほど、言葉は短く、順序は外さないようにします。余計な強がりが足を乱します。
風天小畜・地山謙と照らす
風天小畜と照らすと、小畜は条件がまだ足りない状態、履は足元に危険がある状態で、同じ慎重さでも病根が違うと分かります。地山謙と照らせば、履は外に現れる礼法を整え、謙は内なる姿勢と鋭さを収めます。三卦を並べておくと、待つ時、歩く時、退く時の区別がつきます。
この卦を読む前に
本卦、動爻、問いを照らす
卦は一ページだけで読み切るより、問いの置き方、動いた爻、六十四卦全体の流れと合わせて見ると見え方が落ち着きます。
関連記事
本卦の問い
虎の尾を踏んだら、必ず咬まれるのですか。
そうとは限りません。危険は本物ですが、履が説くのはまさに、危険に近づく時の身の処し方です。礼を守り、位を守り、分をわきまえれば、通っても傷つかずにすみます。かえって咬まれるのは、言いたいことを言う度胸だけを頼りにした時です。勇気は礼に支えられていないと、そのまま尾を踏む足になります。
職場のことを履で占ったら、どう読みますか。
まず階層、手順、伝え方を見ます。言うべきことは言ってかまいませんが、証拠と場と語気は選びます。そこを外すと、筋の通った要求でも無礼として受け取られます。
虎の尾を踏んだら、必ず咬まれるのですか。開く
そうとは限りません。危険は本物ですが、履が説くのはまさに、危険に近づく時の身の処し方です。礼を守り、位を守り、分をわきまえれば、通っても傷つかずにすみます。かえって咬まれるのは、言いたいことを言う度胸だけを頼りにした時です。勇気は礼に支えられていないと、そのまま尾を踏む足になります。
職場のことを履で占ったら、どう読みますか。開く
まず階層、手順、伝え方を見ます。言うべきことは言ってかまいませんが、証拠と場と語気は選びます。そこを外すと、筋の通った要求でも無礼として受け取られます。
本ページの現代語訳は gaodaoyijing.com が独自に整理・翻訳したものです。© 2026 gaodaoyijing.com。無断転載、複製、機械的な大量取得、商用データベースでの利用を禁じます。